研究課題/領域番号 |
20K17290
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
駒田 敬則 自治医科大学, 医学部, 講師 (90824730)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 慢性腎臓病 / 急性腎障害 / マクロファージ / パイロトーシス / インフラマソーム / 細胞死 / M1マクロファージ / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腎臓病(CKD)の腎組織にはマクロファージを主体とした炎症細胞浸潤が持続し、無菌性炎症が進展に関与する。CKD腎に発症した急性腎障害(AKI)(Acute-on-chronic腎障害)は通常のAKIよりも重症化しやすく、腎予後も極めて悪い。その機序のひとつとして、CKD腎に浸潤した炎症細胞が壊死すると、死細胞残骸が周囲組織に傷害を与える可能性がある。申請者は炎症と細胞死を惹起するインフラマソームに着目し、細胞・動物実験によって炎症細胞死を解析する。本研究により、Acute-on-chronic腎障害重症化の機序解明と制御法開発を目指す。
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研究成果の概要 |
細胞死は周囲にシグナル伝達を誘導する生理的活性を持つが、CKDにおいては、さらなる傷害刺激が加わることで腎細胞や炎症細胞の細胞死を誘導し、腎機能増悪をきたしうる。インフラマソームは、自然炎症反応とパイロトーシスと呼ばれる細胞死を誘導する。AKIおよびAcute-on-chronic腎障害において、傷害腎のマクロファージのインフラマソーム形成が認められた。危険信号である二本鎖DNAは、様々に分化したマクロファージでIL-1βを放出せずにパイロトーシスを起こすことがわかった。死細胞の分化状態が炎症伝播を規定し、Acute-on-chronic腎障害に寄与することが考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CKD腎という病的腎において、炎症細胞死の役割は未だ不明な点が多い。インフラマソームを介した炎症細胞死を制御することで、CKDの治療・進展予防に役立つ可能性がある。 本研究の成果により、二本鎖DNAが様々なマクロファージでパイロトーシスを誘導する可能性が示唆された。AKIおよびCKDは心血管病など様々な疾患の危険因子であり、有効な治療法が期待されている。CKD腎の炎症細胞死の重要性を示した本研究により、CKDのさらなる病態解明に向けて学術的・社会的な意義があると考えられる。
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