研究課題/領域番号 |
20K17295
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
小泉 賢洋 東海大学, 医学部, 講師 (30566170)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 糸球体硬化症 / 細胞外基質 / Ⅰ型コラーゲン / PHGDH / 壁側上皮細胞 / メサンギウム細胞 / ポドサイト |
研究開始時の研究の概要 |
糸球体硬化症は慢性腎不全に共通して認められる組織形態であり,糸球体にⅠ型コラーゲ ン等の細胞外基質が蓄積する不可逆的変化である.申請者等は,硬化糸球体蛋白質の質量分析により,Ⅰ型コラーゲンの主要な構成アミノ酸glycine 産生経路の律速酵素であるD-3-phosphoglycerate dehydrogenase(PHGDH)が増加していることを見出した.本申請の研究では,「糸球体硬化症ではPHGDHの増加によりコラーゲン産生が亢進しており,PHGDHの阻害により糸球体硬化症は軽減可能である」という仮説の検証を行う.これは糸球体硬化症の根本的治療の開発に繋がることが期待される.
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研究実績の概要 |
【研究目的・背景】糸球体硬化症は慢性腎不全に共通して認められる組織形態であり,糸球体にⅠ型コラーゲン等の細胞外基質が蓄積する不可逆的変化である.申請者等は,高率に再現性良く糸球体硬化症の誘導が可能なマウスモデルを開発し,硬化糸球体蛋白質の質量分析により,Ⅰ型コラーゲンの主要な構成アミノ酸glycine産生経路の律速酵素であるD-3-phosphoglycerate dehydrogenase(PHGDH)が増加していることを見出した.本申請の研究では,「糸球体硬化症ではPHGDHの増加によりコラーゲン産生が亢進しており,PHGDHの阻害により糸球体硬化症は軽減可能である」という仮説の検証を行う.これは糸球体硬化症の根本的治療の開発に繋がることが期待される. 【方法・結果】(1)in vivoの実験として,ポドサイト特異的にhuman(h)CD25を発現するポドサイト傷害モデル(NEP25)マウスに,hCD25を標的とするimmunotoxin(LMB2)を2回投与し,びまん性全節性の糸球体硬化症を誘導する.1回目のLMB2投与後8日目よりPHGDH阻害薬であるNCT-503(40 mg/kg)とvehicleの腹腔内投与を開始,計14日間の投与ののち採材した.NCT-503群とvehicle群を3匹ずつを用いて,腎組織のPAS染色標本にて検討を行ったが,傷害の程度に関して2群間で明らかな差は観察されなかった.PHGDHはポドサイト,壁側上皮細胞(PEC),尿細管上皮細胞に染色されるものの,ポドサイトは高度に傷害され多数が消失しているのに比してPECは著明な増殖している.(2)各種腎疾患のヒト標本を用いてPHGDH染色を施行したところ,半月体形成性腎炎の管外増殖(半月体)部の染色を認めたものの,染色性は明らかな増強は観察されなかった.(1)(2)より,硬化糸球体におけるPHGDH蛋白量の増加は増殖したPECに由来している可能性がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の仮説である「糸球体硬化症ではメサンギウム細胞におけるPHGDH活性の亢進によりコラーゲン増生が亢進する」を支持する結果が観察されず,PHGDHは糸球体傷害時に著明に増殖するPECにおいて亢進している可能性が示唆され,研究計画を大きく見直す必要があるため.
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今後の研究の推進方策 |
PHGDH蛋白がPECにおいて増加していることが示唆されたが,PHGDHを介して産生されたglycineを材料としたコラーゲン等の細胞外基質増生はPECと直接接触の無いメサンギウム細胞において生じている可能性が高いと思われる.PECとメサンギウム細胞間の相互作用により細胞外基質の増生を生じているか否か,今後検討を進める.仮説の修正が困難であれば,別の仮説を新たに構築し検討を行う.
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