研究課題/領域番号 |
20K17306
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
荒木 勇太 山形大学, 医学部, 助教 (30637228)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | SASH1 / 遺伝性色素異常症 / モデルマウス / 機能解析 / CRISPR/Cas9 / ロドデノール |
研究開始時の研究の概要 |
SASH1遺伝子の変異が原因と考えられる新たな色素異常症がこの数年でいくつか報告されており、我々の施設でもこれらの報告例と類似した臨床所見を示す同遺伝子の変異症例を複数例経験している。しかし、モデルマウス等を使用したin vivoでの研究はなされておらず、病態や遺伝子の機能はいまだ十分に明らかにされていない。 本研究では、同遺伝子のノックアウトマウス、さらに変異を組み込んだ疾患モデルマウスを作製し、SASH1遺伝子変異による遺伝性色素異常症の病態解明と機能解析を行う。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続きマウスを使った実験を継続した。研究実験計画に掲げた項目について経過を報告する。 ①SASH1ヘテロ・ホモマウスに加え、SASH1ヘテロノックアウトマウスの作製に成功し、自然経過を観察した。観察できたマウス個体はまだ少ないが、経時的に写真、ダーモスコピーで撮影し、経過を追った。現時点では、臨床的に、ヒト患者と同様の色素斑は確認できなかったが、ダーモスコピーでは、SASH1ヘテロ・ホモマウスと同様に、毛孔周囲の色素斑の面積の不均一やばらつきが確認された。 ②SASH1ヘテロノックアウトマウスを使用し、紫外線照射実験(背部の半分にサンスクリーンを塗布し、50mJ/cm2/回、週5回照射)を実施中である。現時点では、色素斑の増強は確認できないが、今後個体数を増やして実験を継続し、採取した組織を抗Melan-A抗体で染色し、メラノサイトの分布を解析していきたい。 ③30%ロドデノールをマウスに塗布し、色素再生の様子を観察する実験を継続した。今年度はSASH1ホモマウスへの塗布実験を実施中である。昨年度と同じ条件でロドデノールを塗布し、脱色素斑を誘発した。塗布を中止すると、毛孔周囲から徐々に点状の色素再生が確認された。採取した組織を抗Melan-A抗体で染色し、メラノサイトの分布と樹状突起の伸び具合を確認中である。 ④メラニン合成や細胞接着に関わる分子の発現で有意な変化を示すものは確認できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実施計画で予定していた各種実験は一通り行えたが、モデルマウスの供給にばらつき(ヘテロ・ホモ・ヘテロノックアウト接合体の偏りや、マウスの皮膚色、hairlessの個体差が大きい)があり、十分な個体数をそろえるのに時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
マウスの交配を継続しながら、今年度から進行中の実験を継続し、得られたデータの解析を進める予定である。特に、SASH1ヘテロノックアウトマウスを使用した実験、SASH1ホモマウスのロドデノール塗布実験の解析を次年度行いたい。 研究実施計画①では、SASH1ヘテロノックアウトマウスの個体数を増やし、臨床経過を観察したい。 研究実施計画②について、個体数を増やして解析を行いたい。 研究実施計画③について、実験を継続し解析を行いたい。 研究実施計画④について、SASH1遺伝子変異による各細胞の機能変化を捉えるために、シングルセルRNA解析実施を検討したい。採取したマウス皮膚からメラノサイトの分離培養を試みたい。
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