研究課題/領域番号 |
20K17308
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
関口 明子 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60774396)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 全身性強皮症 / Th17細胞・制御性T細胞バランス / 寄生虫感染症 / 蠕虫 / 皮膚線維化 / 蠕虫感染症 / Th17細胞 / Treg細胞 / 腸内細菌叢 / 寄生虫 / 制御性T細胞 / 腸内細菌 / 蠕虫感染 |
研究開始時の研究の概要 |
全身性強皮症は、免疫異常を基盤として、皮膚および内臓臓器の線維化を呈する疾患である。強皮症では「免疫を誘導するT細胞であるTh17細胞が増加・活性化し、逆に免疫を制御するT細胞が抑制されている」と推測されているが十分に解明されていない。そこで、我々は強皮症の皮膚線維化の病態におけるTh17細胞と制御性T細胞の役割(バランス異常)を解明する。蠕虫による寄生虫感染は制御性T細胞を活性化させるため、強皮症モデルマウスに蠕虫を感染させ、皮膚線維化に対する影響を検討する。また、蠕虫を感染させたマウスと強皮症患者の腸内細菌叢の変化を比較検討して、腸内細菌叢と皮膚線維化との関連についても検討する。
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研究成果の概要 |
全身性強皮症におけるTh17/制御性T細胞バランス異常の病態への関与を明らかにするために、蠕虫感染により活性化した制御性T細胞がブレオマイシン誘発強皮症マウスモデルに及ぼす影響について検討した。その結果、蠕虫により活性化した制御性T細胞が、線維化モデルマウスにおけるTh17/制御性T細胞バランス異常を制御し、皮膚線維化が抑制された。マウス及び強皮症患者の腸内細菌叢の検討により、腸内細菌叢の変化が強皮症におけるTh17/制御性T細胞のバランス異常に関与している可能性が示唆された。本研究結果より、Th17/制御性T細胞のバランスを正しく制御することが、新たな治療ターゲットとなる可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全身性強皮症は、免疫異常を基盤として、皮膚および内臓臓器の線維化、血管異常を呈する全身性疾患である。本邦の患者数は約2万人であり、難病指定されている。本研究成果によって、強皮症の皮膚線維化の病態における制御性T細胞とTh17細胞のバランス異常の解明につながり、制御性T細胞の活性化が強皮症の皮膚線維化を改善させる新たな治療法につながる可能性が期待される。強皮症の病態と腸内細菌叢との関連も新たな知見が得られることが予想される。制御性T細胞の誘導に関わる細菌叢と線維化の病態への関与が解明されれば、強皮症患者が特定の腸内細菌を摂取することで線維化の治療につながる可能性も期待される。
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