研究課題/領域番号 |
20K17322
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
山口 さやか 琉球大学, 病院, 講師 (70571397)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | アテローム / 表皮嚢腫 / 粉瘤 / 外毛根鞘嚢腫 / 毛包性角化 / 表皮角化 / トランスクリプトーム解析 / 毛包分化 |
研究開始時の研究の概要 |
皮膚は表皮角化細胞、毛包、汗腺などの付属器や線維芽細胞など、体の各部位に特異的な機能を獲得している。我々はヒトの掌蹠と体幹の皮膚の特徴を説明するため、角層形成、自然免疫等の多様な相違点を描出してきたが、掌蹠型の表皮分化や汗腺の誘導因子は発見できていない。そこで、属性が極めて類似したアテロームの2病型、表皮嚢腫と外毛根鞘嚢腫を比較対照することに思い至った。いずれも、発生母地である毛包間表皮と毛包上皮の分化形態を極めて正確に維持した嚢腫を形成する。これら2型の組織分化を理解することで、より複雑なヒト皮膚の毛包分化を誘導する因子や、表現型の違いには何があるのかを明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
表皮嚢腫と外毛根鞘嚢腫の病理組織学的特徴を踏まえて診断の見直しを行い、表皮嚢腫9例、外毛根鞘嚢腫7例をピックアップした。2群間の主成分分析では、遺伝子発現パターンが非常に近似していた。表皮嚢腫9例と外毛根鞘嚢腫6例の2群間解析では、統計学的に有意差を持つ候補遺伝子を数個ピックアップすることができた。表皮嚢腫群におけるエンリッチメント解析では、keratinazationやepidermis developmentの関連遺伝子が高発現していた。外毛根鞘嚢腫群は、central nerves system development関連遺伝子が高発現していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在のところ、皮膚疾患における次世代シークエンスによるトランスクリプトーム解析は、乾癬やアトピーなどの大規模な疾患での商業的解析や、皮膚癌のドライバー遺伝子のスクリーニング、治療関連遺伝子の探索に限られている。本研究では、表皮嚢腫と外毛根鞘嚢腫の2型のアテローマを検体とすることで、それぞれの発生母地である毛包間表皮と毛包上皮の分化形態の表現型や誘導因子を探索する。毛包組織は複雑な組織内組織であり、一つの幹細胞から誘導する因子が何であるか、表現型の違いには何があるのかを明らかにできれば、皮膚の生理学的発生の解明の一助となる。
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