研究課題/領域番号 |
20K17325
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
神谷 浩二 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90790668)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 皮膚老化 / Klotho欠損マウス / 17型コラーゲン |
研究開始時の研究の概要 |
皮膚の上皮である表皮は、表皮幹細胞によって維持されており、幹細胞での17型コラーゲンの発現低下による皮膚老化の病態が明らかになりつつある。老化モデルマウスであるKlotho欠損マウスは、生後早期から各臓器に老化症状をきたし、病態の本質はリン排泄障害によるリン貯留である。われわれはすでにKlotho欠損マウスで皮膚の老化症状を確認している。さらに、Klotho欠損マウスの表皮幹細胞での17型コラーゲンの発現低下を確認している。本研究では、高リン血症による17型コラーゲンの発現低下の過程を明らかにし、高リン血症の改善による17型コラーゲンへの影響と皮膚老化症状の改善の過程を明らかにする。
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研究成果の概要 |
老化モデルマウスのKlotho欠損マウスでは、組織学的に皮膚萎縮がみられた。コッサ染色では皮膚でのcalciprotein particleの沈着はみられなかった。蛍光抗体法では、出生直後から表皮幹細胞で17型コラーゲンの発現が低下していた。また、真皮乳頭層で5型コラーゲンの発現が低下していた。定量的PCRでは、17型コラーゲンの分解、発現に関与するMMP9、ADAM9、ADAM10、TIMP1の発現が低下していた。さらに、HB-EGFの発現が低下していた。Klotho欠損マウスを3週齢で離乳後、6週齢まで低リン食で飼育した結果、表皮幹細胞での17型コラーゲンの発現が維持された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミネラル代謝異常などの内因性ストレスによる皮膚老化の病態は未解明で、これまで皮膚老化に対する有効な治療法はない。本研究では、老化モデルマウスを用いて、体内リン貯留による表皮幹細胞における17型コラーゲンの発現低下を確認した。また、体内リン貯留を抑えることで、表皮幹細胞における17型コラーゲンの発現が維持されることを確認した。ヒトの皮膚老化でも同様の病態が明らかになれば、新たな治療法の開発につながる。
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