研究課題/領域番号 |
20K17329
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
平井 郁子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (00594590)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 乳房外パジェット病 / 有棘細胞癌 / 抗PD-1抗体 / バイオマーカー / 血清プロテインアレイ / 皮膚有棘細胞癌 / VEGFR1 / Androgen receptor / 皮膚悪性腫瘍 / 免疫療法 / 化学療法 |
研究開始時の研究の概要 |
皮膚悪性腫瘍の1つである乳房外パジェット病はその希少性ゆえに進行期症例における確立された標準治療が乏しい。近年、本疾患に対する分子標的療法や免疫チェックポイント阻害薬治療の開発が進む中、治療への反応性をより適切に表現するバイオマーカーの重要性が増している。本研究では、治療前後の血清を用いてプロテインアレイシステムによるサイトカインや抗がん抗原IgG等の動態解析を行い、臨床データや腫瘍微小環境の免疫染色結果と比較検討することで、これまで十分に検討されていない進行期症例における免疫状態を評価し、治療ごとの効果を予測するバイオマーカーを明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
乳房外パジェット病と有棘細胞癌において、抗PD-1抗体療法前と治療8-9週後の血清を用いがんに関連する247種の分子についてELISA法で評価した。EMPD2例(PR1例、PD1例)のうちPR例ではVCAM-1が増加、 IgG, tubulinαが減少し、PD例ではtestosterone, IGF-II, MMP-2, IgGが増加した。IgG はPR例で減少、PD例で増加し、SCC 7例(PR3例、PD4例)においても同様の傾向がみられた。血清可溶性CD163について、SCC4例においてPR1例で不変、PD3例で増加を示し、抗PD-1抗体療法のバイオマーカーとなる可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでその希少性ゆえに十分に解析されていない進行期乳房外パジェット病の免疫状態および抗PD-1抗体治療を含む全身化学療法下における治療毎の反応性を適切に表現するバイオマーカーを明らかとすることを目的とし、治療前後の血清を用いた抗体マイクロアレイ(ELISA)を行い、腫瘍免疫の促進および抑制に関連する分子の動態解析をし、臨床効果と比較検討した。抗PD-1抗体療法を実施した症例のうち血清を解析できたのは2例のみであったため、有棘細胞癌においても同様の解析を実施した。少ない症例数のためさらなる症例集積が必要ではあるが、バイオマーカーとなる可能性のある分子を評価することできた点で学術的意義がある。
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