研究課題/領域番号 |
20K17332
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 奈津子 産業医科大学, 医学部, 助教 (70745405)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 乾癬 / 骨粗鬆症 / 慢性炎症性皮膚疾患 / 骨密度 / アトピー性皮膚炎 |
研究開始時の研究の概要 |
アトピー性皮膚炎や乾癬において、骨密度の低下や骨粗鬆症の発症リスクが高くなるという疫学調査の報告がなされている。申請者の得意分野である免疫学的解析を用いて、その関係性を明らかにしようと考えている。現在までに、皮膚疾患のモデルマウスなどを用いた骨密度の低下を検証した検討はなく、免疫応答について詳細に検討を行った報告はない。モデルマウスを用いて検討することで、皮膚の重症度と骨密度の低下が相関するか、治療によってそれが改善するか、 免疫学的な機序はどうかなどについて詳細に検討することができる。
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研究成果の概要 |
炎症性皮膚疾患として、慢性に経過する尋常性乾癬についてまずは行うこととした。TLRレセプターを介して局所免疫を活性化させるイミキモドは日光角化症や尖圭コンジローマの治療薬としても使われるが、その反復塗布によって尋常性乾癬様の皮疹を発症させることが知られている。我々はイミキモドを塗布して作成した乾癬モデルマウスを用いて、その骨の解析を行うこととした。イミキモドはマウスの剃毛処理を行なったマウスの背中に週3回4週間にわたって塗布をおこなった。マウスの体重測定を週1回行い、骨密度の測定をマイクロCTを用いて行った。体重及び骨密度は、コントールマウスに比較して、優位に低下が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究では、皮膚病は生活習慣病などの全身性の疾患と繋がりがあることがこれまでに多くの研究で示されてきた。全身にひろがる炎症性皮膚疾患は、慢性炎症を惹起し、骨密度までも低下させることは、今後、高齢化がすすむ社会においてより大きな問題となる可能性がある。皮膚の炎症を適切に制御し、転倒などによる骨折のリスクを下げ、高齢化社会においてもより健康にすごせるよう、皮膚科医にもその重責があることが今回の研究で示されたと考えられる。
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