研究課題/領域番号 |
20K17334
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
泉 健太郎 北海道大学, 大学病院, 講師 (50793668)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 水疱性類天疱瘡 / 自己免疫疾患 / 17型コラーゲン / 自己抗体 / DPP-4阻害薬 / ELISA / 自己免疫寛容 / BP180 / 2型糖尿病 / DPP4阻害薬 / エピトープ / 自己免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
水疱性類天疱瘡(BP)は、基底膜構成分子であるBP180を主な標的とする自己免疫性水疱症である。近年、dipeptidyl peptidase-IV阻害薬(DPP-4i)内服中に発症したBP症例の報告が相次いでおり、BP発症に関与すると予想される。本研究において、ヒトBP180リコンビナントタンパクをBP180ヒト化マウスに免疫し発症するBPモデルを用い、DPP-4i投与群と非投与群を比較し、DPP-4iがBP180に対する自己免疫寛容の破綻に及ぼす影響を明らかにする。さらにBP180を貪食させた樹状細胞へDPP-4iを投与し、DPP-4iがBP180断片の抗原提示に及ぼす影響を解明する。
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研究成果の概要 |
BP180ヒト化マウスに対して全長BP180リコンビナントタンパクを用いて免疫することにより、眼周囲や耳に水疱性類天疱瘡類似の皮膚病変を誘発した。その際DPP-4阻害薬であるvildagliptin投与群と非投与群に分けて皮膚病変の発症率や重症度を比較したが、群間に有意差を認めなかった。免疫により産生される抗BP180抗体の誘導率と抗体価についても比較したが、群間に有意差を認めなかった。誘導される自己抗体のエピトープに違いがあるか検証するため詳細なエピトープマッピングを行ったところ、vildagliptin投与群では自己抗体エピトープがBP180の細胞外領域に限局していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水疱性類天疱瘡は高齢者に好発する指定難病であるが、その詳細な発症機序はいまだ不明である。近年2型糖尿病治療のための本邦における第一選択薬であるDPP-4阻害薬投与に関連する水疱性類天疱瘡が問題となっている。本研究ではBP180に対する免疫寛容の破綻の際にDPP-4阻害薬の投与を行うことで非投与時と異なる免疫応答が生じる結果、誘導される自己抗体のエピトープに変化が生じる可能性があることが明らかとなった。本研究で得られた知見がDPP-4阻害薬関連水疱性類天疱瘡の発症機序の解明の一助になるとともに、より安全な2型糖尿病治療の遂行を実現可能にするためのさらなる研究の礎になることが期待される。
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