研究課題/領域番号 |
20K17336
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
日高 高徳 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (80781575)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | AhR / 皮膚扁平上皮癌 / Ah受容体 / 扁平上皮癌 |
研究開始時の研究の概要 |
皮膚扁平上皮癌 (cutaneous squamous cell carcinoma: cSCC)は有病率の高いがん腫であるが、進行期における有効な加療法はいまだ見つかっていない。Aryl hydrocarbon receptor (AhR)はcSCCの誘因とされる紫外線や環境汚染物質を感知する分子であるが、近年AhRの変異とcSCCの有病率との間に強い関連があることが報告された。本研究ではAhRがcSCCの進行に与える役割を解析することで、cSCCの悪性化機序ひいては有効な加療法につながる知見を得ることを目指す。
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研究実績の概要 |
昨年度までにDMBA(7,12-dimethylbenz(a)anthracene)-TPA(12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate)外用を用いた皮膚扁平上皮癌の作出に成功した。そこで、今年度はマウス個体での皮膚扁平上皮癌における表皮のAryl hydrocarbon receptor (AhR) の転写レベルでの役割を調べるため、同モデルを用いて作出した皮膚扁平上皮癌検体を用いてRNAseqを施行した。 具体的には、AhRflox/floxマウスおよびAhRflox/flox::Ketain5-CreERT2マウスの背部皮膚に、DMBA-TPAの長期的な外用により皮膚扁平上皮癌が生じたことを確認した後 (外用12週後)、タモキシフェンを投与することでAhRflox/flox::Ketain5-CreERT2マウスにおいて表皮細胞特異的にAhRをノックダウンさせる。AhRの短期的な影響を観察するために1週間後 (AhRflox/floxマウス: n = 6,AhRflox/flox::Ketain5-CreERT2マウス: n = 5) および長期的な影響を観察するために4週間後 (AhRflox/floxマウス: n = 4, AhRflox/flox::Ketain5-CreERT2マウス: n = 4) に皮膚扁平上皮癌病変部の皮膚を採取した。さらに採取した皮膚検体からRNAを抽出し、次世代シーケンサーを用いてRNAseqを実施した。結果データのクオリティチェックでは高品質なデータが得られており、現在AhRの皮膚扁平上皮癌における分子的な役割を明らかとするためRNAseqデータの解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題はマウスを用い長期的な介入が必要な課題であるが、昨年度までに本学の動物実験施設の改装作業が実施されていたために、長期的な介入を十分に計画および実行することが困難であったことが今年度においても本研究課題の遅延に影響している。加えて、COVID-19感染症流行後の物流の混乱によりRNAseqに用いるシークエンス試薬の納入が遅延したことも研究の遅延へとつながった。
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今後の研究の推進方策 |
得られた皮膚扁平上皮癌のRNAseqデータを解析することで、AhRが皮膚扁平上皮癌の進行過程に与える影響を明らかとする。さらに同定したAhRが影響する病態が、タンパクまたは個体レベルでも生じている病態であるのかを、採取済みのマウス皮膚切片および血清検体を用いて検証する。また、我々は過去に採取したヒト表皮細胞株を用いたAhRのChIP-seqデータを有しており、同データと本研究のRNAseqデータを総合的に解析することで、AhRが皮膚扁平上皮癌の進行に寄与する分子機序を明らかとすることを目指す。
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