研究課題/領域番号 |
20K17357
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
御守 里絵 奈良県立医科大学, 医学部, 特任助教 (20533722)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | human β-defensin / 抗菌ペプチド / 自然免疫応答 / 分子標的治療薬 / EGFR阻害薬 / ざ瘡様皮疹 / 薬疹 |
研究開始時の研究の概要 |
分子標的治療薬は種々の悪性腫瘍の治療に頻用されているが、その一方で、特徴的な薬疹が増加してきている。しかしその発症機序については未だ不明な点が多い。これまでにわれわれは、上皮成長因子受容体(EGFR)阻害薬が、培養ケラチノサイトの抗菌ペプチド産生を抑制することを明らかにした。本研究では、このEGFR阻害薬の皮膚自然免疫応答への影響に着目し、EGFR阻害薬投与患者皮膚における免疫関連分子、皮膚細菌叢と皮膚症状との相関を検討し、さらに培養細胞および動物モデルを用いて、EGFR阻害薬の自然免疫応答へ及ぼす影響のメカニズムを詳細に調べ、薬疹発症機序の一端を明らかし、その治療法、予防法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
分子標的治療薬薬投与によりざ瘡様皮疹などの皮膚症状を高率に生じることが知られているが、薬疹発症のメカニズムについては未だ不明な点が多い。これまでにEGFR阻害薬が培養ケラチノサイトの抗菌ペプチドβ-defensinの産生を阻害することを明らかにした。本研究では、実際の患者において、EGFR阻害薬が皮膚自然免疫応答にどのような影響を及ぼしているのかを検討した。EGFR阻害薬によるざ瘡様皮疹はβ-defensinの低下に伴い発症することを見出した。皮膚常在菌の表皮ブドウ球菌はTLR2を介してTGF-αを誘導し、EGFRを活性化することでβ-defensin-3を産生することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果、EGFR阻害薬によるざ瘡様皮疹の発症にはβ-defensinの低下が密接に関与いる可能性が示唆された。平時ではブドウ球菌の感染はTGF-αとの相乗効果によりβ-defensinの発現を誘導することで、自然免疫応答を維持しているが、EGFR阻害剤を投与された患者においてはβ-defensin発現が著明に低下し、ざ瘡様皮疹が生じるのではないかと考えられた。
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