研究課題/領域番号 |
20K17371
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
梅澤 佳央 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (50813218)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | PECAM-1 / CLL / leukemia / bone marrow stromal cell / SHP2 / SDF-1 / 細胞微小環境 / CXCR4 / PECAMー1 / AML / MPN |
研究開始時の研究の概要 |
近年、白血病難治化の一因として骨髄間質細胞との相互作用による骨髄微小環境での腫瘍の定着、増殖が指摘されている。本研究では、これまでの研究からPECAM-1が骨髄間質細胞由来ケモカインであるSDF-1誘導性にCXCR4からのPI3K/Akt/mTORCシグナルを増強することに注目し、PECAM-1による骨髄間質細胞を介した白血病の治療抵抗性獲得メカニズムを分子生物学的に解析し、PECAM-1/CXCR4を難治性白血病の新たなバイオマーカー、治療標的として検討するとともに、臨床応用の可能性を探索する。
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研究成果の概要 |
阻害薬を用いた薬理学的検討において、PECAM-1はSHP2を通じてPI3K/Akt/mTORC経路の活性化を来す可能性が示唆された。32Dcl3細胞を用いた検討ではPECAM-1の発現は、骨髄間質細胞との共培養系において細胞増殖や生存に対し有利な結果をもたらさなかった。しかし、PECAM-1を発現した慢性リンパ性白血病細胞を用いた検討においては、骨髄間質細胞との共培養で有意に培養期間の延長が認められ、その効果は骨髄間質細胞にPECAM-1を過剰発現させるとさらに顕著であった。これらPECAM-1発現による延長効果はBTK阻害薬を用いることで抑制された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CLLにおいて細胞表面のPECAM-1を通じた骨髄間質細胞とのinteractionが細胞生存に対し有利な環境を付与していることが示唆され、BTK阻害薬によりその効果は抑制された。PECAM-1はBTKなどによりそのimmunotyrosine-based inhibitory motif(ITIM)のチロシンがリン酸化され、SHP2などをリクルートすることでシグナル伝達を行い、骨髄微小環境を介した治療抵抗性に寄与している可能性が考えられ、また、BTK阻害薬はこのような骨髄微小環境とCLLの相互作用も包括的に治療標的としうることが示唆される。
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