研究課題/領域番号 |
20K17374
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
白井 俊光 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (50710381)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 血小板 / CLEC-2 / 癌関連血栓症 |
研究開始時の研究の概要 |
癌は血小板や凝固系を活性化させて致死的な血栓症を引き起こす。血栓症は癌患者の2番目の死因であり、その予防・治療は重要な課題である。しかしながら、既存の抗血小板薬や抗凝固薬は出血の副作用があるため、新たな治療法が期待されている。本研究では、我々が同定した血小板活性化受容体CLEC-2の癌関連血栓症の病態形成における機能についてマウスモデルを用いて明らかにし、CLEC-2が癌関連血栓症の治療標的になるか調査する。
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研究成果の概要 |
3種類の癌細胞株(LLC, Pan02, MC-38)をマウスに移植した。全ての腫瘍においてポドプラニン陽性癌関連線維芽細胞(CAFs)が豊富に存在することを発見した。LLC腫瘍から単離培養したCAFsから細胞外小胞(EVs)を精製し、EVsにポドプラニンが存在すること、CAF-EVsがCLEC-2依存的に血小板を活性化する事を明らかにした。 LLC担癌マウスでは血中ポドプラニン濃度が上昇していた。塩化鉄傷害による血栓症モデルにおいて、CAF-EVsおよびLLC腫瘍は血管閉塞時間を短縮した。抗体を用いたCLEC-2欠損マウスは、CAF-EVsおよび腫瘍による血栓形成増悪効果を抑制した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CLEC-2は血小板・巨核球にほぼ特異的に発現している。そのリガンドのポドプラニンは正常状態では血管内に存在しない。したがって、CLEC-2の止血機能への寄与は非常に小さく、実際にCLEC-2欠損マウスは出血傾向を示さない。しかし腫瘍が形成されると、癌細胞やCAFsからポドプラニンが発現し、細胞間相互作用あるいはEVsによってCLEC-2依存的な血小板活性化を惹起する。すなわち、ポドプラニン/CLEC-2はCAT特異的な血栓形成機序である。すなわち、抗CLEC-2療法は、従来の抗血小板薬よりも安全に使用できる抗CAT戦略と考えられる。
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