研究課題/領域番号 |
20K17378
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
数藤 孝雄 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80631184)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / ニッチ / 生体イメージング / 自然リンパ球 / ストレス造血 |
研究開始時の研究の概要 |
造血幹細胞(HSC)は骨髄内のニッチと呼ばれる特殊な環境で維持されている。これまでに 多種類の骨髄ニッチ細胞及びニッチ因子が報告されてきたが、その全容は未だ未解明である。 本研究では、生体二光子励起イメージング技術を駆使して、HSCの動きやHSCとニッチ細胞との時空間的な位置関係を明らかにする。さらに、個々のHSCの遺伝子発現をシングルセルレベルで解析し、HSCニッチの多様性を明らかにする。その上で、造血幹細胞の増殖に必須のシグナルを抽出し、造血幹細胞の対外増幅法の開発及び白血病幹細胞をターゲットとした治療法の開発の足掛かりとする。
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研究成果の概要 |
抗がん剤治療の副作用として白血球などの血球細胞は減少する。骨髄内では生き残った造血幹・前駆細胞が盛んに分裂し、血球回復を促す機構が存在しているが、その詳しいメカニズムは分かっていなかった。 本研究において、骨髄に存在する免疫細胞の一種である2型自然リンパ球(ILC2)が増殖因子GM-CSFを分泌することによって、抗がん剤投与後の骨髄回復に寄与していることを示した。ILC2は、骨髄傷害により放出されるIL-33を感知して反応し、MyD88を介して活性化し、骨髄再生を促進していることが分かった。 本研究成果は抗がん剤治療後の白血球減少症の治療法開発に役立つと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体は元々、抗がん剤で傷ついた骨髄を再生させる能力があるが、その回復機構がどのような機序で発動するのかはよくわかっていなかった。 本研究はその再生メカニズムの一つを明らかにした。更にILC2の細胞医薬としての可能性を示した。 本研究成果は、造血幹細胞を体外で増幅させる方法の開発や、抗がん剤治療後の白血球減少症の治療法開発に役立つと考えられる。
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