研究課題/領域番号 |
20K17387
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
扇屋 大輔 東海大学, 医学部, 助教 (50589778)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 多発性骨髄腫 / CD38 / ダラツムマブ / JAK-STAT3 / モノクローナル抗体 / スプライシングバリアント / モノクローナル抗体薬耐性 / ダラツムマブ耐性 / トランスクリプトーム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
多発性骨髄腫はCD38を高発現しており、抗CD38モノクローナル抗体であるダラツムマブが治療薬として使用されているが、耐性化による再発・再燃が問題となっている。我々はダラツムマブ耐性獲得の機序の解明とその克服を目指して、ダラツムマブ耐性細胞株を作製し、RNAシーケンスにてトランスクリプトーム解析を行った。本研究では、治療標的候補を同定し、in vitro、in vivo、および臨床サンプルを用いてその検証を行い、ダラツムマブ耐性症例に対する新規治療戦略を創出する。
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研究実績の概要 |
多発性骨髄腫(multiple myeloma;以下MM)は免疫グロブリン産生細胞である形質細胞が腫瘍化した血液悪性腫瘍であり、CD38を高発現している。近年、抗CD38モノクローナル抗体薬であるダラツムマブ(daratumumab;以下DARA)が臨床導入され治療成績は著しく向上したが、いずれDARAに耐性化し再発する。DARA耐性化の機序としてMM側の因子と免疫環境側の因子が報告されており、MM側の因子としてCD38の発現量低下や補体制御タンパク(CD55、CD59)の上昇などが報告 されているが、大規模な報告は認めず、詳細な耐性化の機序の解明が望まれている。 申請者は、骨髄微小環境中のストローマ細胞から産生されるInterleukin-6によるSTAT3の活性化がMM細胞のCD38の発現低下を誘導しDARA抵抗性と関わることを発見した。現在、MM細胞におけるDARA耐性獲得の機序をさらに多角的・包括的に解明することで、DARA耐性化を誘導せずDARAの効果を最大限引き出す併用療法を確立すること、DARA耐性獲得後の新たな治療標的を見出すことを目的とし研究を進めている。特にDARA耐性獲得前後のMM細胞のトランスクリプトーム解析を行うべくDARA耐性前後のMM患者サンプルを収集している。また、MM患者のフローサイトメトリによるCD38の発現強度解析により、CD38の発現が患者毎に多様性があり治療効果との関連を考察している。さらに、2021年度はCD38のスプライシングバリアントに注目し解析を進めた。2022年度はCD38低発現のMM細胞株を用いたCRISPR activation screeningを施行し、CD38の発現を調節する遺伝子の同定を試み、現在バリデーション中である。今後は臨床応用可能な知見を得ることができるよう解析を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度まではMM患者のCD38の発現強度・発現パターン解析、JAK-STAT3経路の活性化によるCD38発現低下に関わる因子の検索、CD38発現と相関を示す因子の公共データベースを用いた解析、CD38のスプライシングバリアントの解析を行い、CD38の発現につき理解を深め、その発現調節に関わる因子の同定に努めてきた。 2022年度にはDARA耐性細胞のトランスクリプトーム解析に必要な患者サンプルの収集を進めていたが、従来治療と比較してDARAの治療効果が非常に高いため、DARA治療後の再発例が少ないこと、再発した際にも骨髄中のMM細胞割合が少ないため十分な検体量が得られにくいことにより、サンプル収集に非常に難渋している。また、スプライシングバリアントの解析において、新規スプライシングバリアントの細胞株における強制発現に難渋している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の今後の推進方策として、これまでに解析した結果を複数のテーマに分解し、独立したテーマを一部英文誌に投稿し、他のテーマについては臨床的に意義のある解析を進めていく。具体的に独立したテーマとして、MM患者のフローサイトメトリ解析の結果をさらに詳細に検討して報告する予定である。 2021年度に解析を行ったCD38の新規スプライシングバリアントについて、解析を進めているが、新規スプライシングバリアントの強制発現に難渋しているため、臨床的な意義を見出すべくDARA耐性患者のMM細胞の解析を行っていく。 また、DARA耐性前後のMM患者サンプルの収集に対するエフォートをこれまで以上に割き、トランスクリプトーム解析を予定する。上記の複数の手法を用いて解析を行うことで、多角的・包括的にDARA耐性に関わる因子を同定し、臨床的に意義のある治療標的の同定を目指す。
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