研究課題/領域番号 |
20K17393
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
北舘 明宏 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (90791559)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | T細胞リンパ腫 / HDAC阻害剤 / JAK/STAT / gp130 / プロテアソーム阻害 / プロテアソーム阻害剤 / Stat3 / 悪性リンパ腫 / 薬剤耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
T細胞リンパ腫は予後不良な悪性リンパ腫であり、標準的化学療法では治癒困難な疾患である。再発難治性T細胞リンパ腫に対する新規薬剤として、ヒストン脱アセチル化酵素(Histone Deacetylase、以下HDAC)阻害剤がエピジェネティック治療薬として登場し注目を集めている。しかしながら、HDAC阻害剤単剤では治癒を期待することはできず再発は必至であり、HDAC阻害剤抵抗性の再発に対する治療戦略の確立が必要である。本研究は、T細胞リンパ腫におけるHDAC阻害剤への耐性機序を明らかにすることであり、耐性機序の中心となる分子を明らかにし、耐性を克服する新規治療戦略の開発へと結びつける。
|
研究成果の概要 |
HDAC阻害剤耐性細胞において、いくつかの遺伝子発現変化を見出しており、特にJAK/STAT経路の活性化や、サイトカイン関連シグナルの異常、抗アポトーシス関連遺伝子の発現変化などが挙げられる。HDAC阻害剤耐性細胞の脆弱性を明らかにするため、薬剤スクリーニングを用いた表現型スクリーニングを行った。その中で、プロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブへの顕著な感受性亢進を見出した。これらの知見はHDAC阻害剤に対して耐性を獲得したT細胞リンパ腫治療戦略の確立に重要な示唆をもたらすものと思われる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HDAC阻害剤への耐性機序として、gp130を介したJAK/STAT経路活性化や、ヒストンアセチル化抑制などを見出した。これらの知見から、gp130阻害あるいはJAK/STAT経路の阻害、そして抑制されたヒストンアセチル化を回復させるプロテアソーム阻害など、いくつかの新たな治療標的を見出すことができた。これらの知見は、HDAC阻害剤治療後の再発難治性T細胞リンパ腫に対する新たな治療戦略構築のための重要な根拠となりうると考える。
|