研究課題/領域番号 |
20K17397
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
井美 達也 金沢大学, 医学系, 助教 (10847239)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 骨髄不全 / 造血不全 / 家族性 |
研究開始時の研究の概要 |
後天性再生不良性貧血(aplastic anemia: AA)の自己抗原や、造血抑制に関わるサイトカインを同定するため、家系内発症AA例を対象として、①自己抗原を認識するT細胞レセプターの同定、②免疫病態による造血不全の発症を助長する胚細胞遺伝子変異の同定、③ HLA-DRB1*15:01と連鎖不平衡を示すサイトカイン遺伝子多型の同定、を試みる。
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研究成果の概要 |
再生不良性貧血(AA)において、その免疫の対象や機序は不明なままである。免疫的な背景を共有した家族内でAAを発症した6家系に共通する免疫学的背景を検討した。5家系でHLA-DRB1*1502を共有しており、HLAとの関連する抗原が推定される可能性が考えられた。また、HLA-A0206を欠失した血球を母と娘に共通して認めた家系があった。この母と娘の末梢血からCD8陽性T細胞のT細胞受容体(TCR)のα鎖とβ鎖のシークエンスを実施し、共通し特異的なTCRの遺伝子配列を数種類認めた。TCRαとβのTCRのCDR3領域と相補的な関係にあるペプチドを推定したところ数種類のペプチドに抽出することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
後天性再生不良性貧血患者の多くは、T細胞を選択的に抑制するシクロスポリン(CsA)や抗胸腺細胞グロブリンなどによって改善する標的となる自己抗原や、サイトカインは未だに同定されていない。AAの発症には様々な環境因子や遺伝的要因が関与しているため、それらの解明は容易ではなかった。今回の解析で共通するHLAをもとに抗原の候補となるペプチドが推定され、これらが真に自己抗原と関連するものと断定できれば、発症の機序の解明や治療法の開発に有効と考えられる。
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