研究課題/領域番号 |
20K17399
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
伊野 和子 三重大学, 医学系研究科, 助教 (60775568)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 同種造血幹細胞移植 / 慢性GVHD / 臓器・組織線維化 / 免疫関連分子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、同種造血幹細胞移植後、慢性GVHDにおける臓器・組織線維化メカニズムを、末梢血単球に由来する線維細胞、その前駆細胞に着目し解明することを目的としている。ヒト慢性GVHDに類似した病態を呈するマウスモデルを用いた解析、同種造血幹細胞移植後患者検体を用いた臨床的検討、および培養実験系による単球系細胞の機能獲得メカニズムの解析を計画しており、また、種々の病態モデルで線維化抑制が報告されているチロシンキナーゼ阻害薬やJAK阻害薬等、GVHDを抑制しうる薬剤による影響についても検討を予定している。これら結果から慢性GVHDにおける臓器・組織線維化病態の解明と制御法の開発に繋げる予定である。
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研究成果の概要 |
本研究では、線維細胞に着目し、同種移植後慢性GVHDの病態解明を行うと伴に、免疫関連分子に着目し、移植後免疫病態について検討を行った。モデルマウスを用いた検討では、移植後2週時点で活性化単球の末梢血中への出現を認め、ヒト臨床検体を用いた検討でも、移植後day 30時点で同様の活性化単球の出現を認めた。これら細胞は比較的長期に末梢血中から検出が確認された。また、ヒト臨床検体を用いた検討では、移植後day 90時点で、移植後再発を認めた群において有意にPD-1, PD-L1の発現増強を認めた。これら結果は、同種移植後慢性GVHDにおける長期免疫病態関与と治療経過への影響を示唆していると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は同種移植後の慢性GVHDについて、繊維芽細胞に着目した上で、慢性GVHDマウスモデルを用いた検討、ヒト臨床検体を用いた検討を行い、その病態解明を行っている。また、ヒト臨床検体を用いて、同種移植後の免疫関連分子と移植後の免疫病態、GVHD、GVL効果についても検討を行っている。この結果、慢性GVHDにおける活性化単球の長期に渡る免疫病態への影響が示唆され、また、同種移植後の免疫抑制状態が原疾患の再発に繋がることが示唆された。これら結果は、同種移植後の病態解明に繋がると伴に、同種移植後治療成績の向上に結び付くことが期待できる。
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