研究課題/領域番号 |
20K17403
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
杉尾 健志 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特別研究員PD (10870446)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 末梢性T細胞リンパ腫 / 微小環境 / 遺伝子発現解析 / イメージングマスサイトメトリー / cfDNA / 悪性リンパ腫 / 免疫チェックポイント阻害薬 / 血漿中核酸 / オルガノイド / single-cell RNA-Seq |
研究開始時の研究の概要 |
末梢性T細胞リンパ腫非特定型(PTCL-NOS)はT細胞リンパ腫の中でも頻度が高く予後不良な病型である。申請者は先行研究で、PTCL-NOSを微小環境因子によって再分類し、新規予後層別化モデルを確立した(Sugio: Blood adv. 2018)。 本研究では、腫瘍組織の新規三次元培養技術や、多次元イメージングマスサイトメトリーを用いることで、微小環境因子の機能解析を行う。 本研究を行うことで、微小環境因子が予後を規定するメカニズムを解明し、新規治療戦略の開発を行う。さらに、本研究で開発する疾患モデルを用いて前臨床治験段階の新規薬剤のスクリーニングも行い、効率よい臨床治験の計画に繋げる。
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研究成果の概要 |
末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)の腫瘍組織の遺伝子発現解析の結果、微小環境関連の遺伝子発現で4群に分類することができ、Macrophage-rich, NME群(B細胞, 樹状細胞関連の遺伝子が低発現の群)は予後不良であった。 Macrophage-rich症例はPD-L1、NME症例はBIRC5を高発現していた。BIRC5阻害はinvitro, vivoの疾患モデルにおいて腫瘍増殖抑制効果を認めた。 イメージングマスサイトメトリーによる微小環境プロファイリングの結果、同一症例、同一組織内の不均一性が大きいことに気が付いた。その結果、cfDNAを用いた免疫微小環境の包括的評価法の開発を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、PTCLという希少かつ予後不良な疾患が微小環境関連遺伝子発現によって分類でき、予後層別化できることを検証した。さらにその分類に基づいた予後不良症例に対する新規治療標的の候補も同定した。今後の臨床試験の計画、予後改善のために有用であることから意義深いと考えられる。さらに、cfDNAを用いた微小環境評価法の開発を行なっているが、非侵襲的にかつ経時的に評価可能な系であり、社会的意義も大きいと考えられる。
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