研究課題
若手研究
EBウイルス関連血球貪食症候群(EBV-HLH)は, EBV感染が引き金となって過剰な炎症が生じ, 汎血球減少と臓器障害を呈する全身性炎症性疾患である. 発症には, EBV感染細胞に対する宿主の病的免疫応答が関わっているが, その詳細は不明である. 申請者はEBV-HLH患者にNFκB経路を制御するCCDC22の新規遺伝子変異を同定した. CCDC22変異によるNFκB制御の変調がEBV-HLHの病態に関与していると予想され, CCDC22の機能解析を行い, CCDC22変異のEBV-HLHにおける役割を検討する.
EBV-HLH重症例から同定したCCDC22V38M変異の機能解析を行った。HEK293Tへの強制発現ではCCDC22のNFκB活性への影響は認めなかったが、V38M変異で細胞内局在の変化を認めた。Neuro2aのCCDC22ノックダウンでは、神経分化障害を来した。Ccdc22V38Mマウスは、自然経過では野生型との有意な差を見出すことはできなかった。MEFのRNAseqでは、サイトカイン・ケモカイン関連の遺伝子発現量の変化を認めた。本研究ではCCDC22V38M変異によるHLH発症への直接的な関与は証明できていないが、CCDC22が免疫系・神経系において重要な役割を担うことが示唆された。
本研究では、難治性疾患であるEBV-HLHの重症例より同定したCCDC22新規遺伝子変異の解析を行った。本研究ではCCDC22の免疫系への関与が示唆される新知見が得られた。CCDC22については、NFκBの調節因子であることや、タンパクの細胞内輸送に関わることなど報告されているものの、まだ機能は十分に解明されていない。本研究成果を足がかりにCCDC22の機能解析が進めば、免疫系の新たな調節機構の解明や、EBV-HLHの病態解明に貢献できる可能性がある。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 4件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 11件)
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