研究課題/領域番号 |
20K17406
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
木村 俊一 自治医科大学, 医学部, 講師 (70623031)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | BCRレパトア / 液性免疫 / 同種移植 / 肺炎球菌 / インフルエンザ桿菌 / IgH BCRレパトア / BCR IgGレパトア / 免疫再構築 / B細胞 / レパトア |
研究開始時の研究の概要 |
同種移植前後6ヵ月以降で、NIH分類でGrade2以上の慢性GVHDを発症した患者(慢性GVHD群)、莢膜を有する細菌による感染症を発症した患者(感染症群)において、免疫グロブリン定量、総リンパ球数の他、末梢血Bリンパ球数、Bリンパ球サブセット解析、BCRレパトアを検査する。移植後1年の時点でGrade2以上の慢性GVHDや感染性合併症を発症していない症例をコントロール群として、同様の検査を実施する。各群10例、合計30例程度での解析を予定する。全体で各パラメーターの相関関係を解析することに加えて、3群に分けて各パラメーターの検査結果を比較検討する。
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研究実績の概要 |
同種移植後の液性免疫再構築をB細胞受容体(BCR)の免疫グロブリン重鎖(IgH)の多様性に焦点を当てて研究を進めている。特に、BCRレパトアと同種移植後の液性免疫不全で問題となる莢膜を有する細菌(肺炎球菌やインフルエンザ桿菌)による感染症との関連について検討を行っている。当センターでの同種移植後に莢膜を有する細菌の感染症を発症した10例(患者群)と患者背景を合わせた感染症非発症群(コントロール群)10例を研究対象として選定し、BCRレパトアの解析を進めた。患者群は移植後約半年で感染症を発症した症例が4例、約1年で発症した症例が6例であり、それぞれ感染症発症時のBCRレパトアの解析を行い、計10件の解析を実施した。コントロール群は、移植後半年、1年で1症例あたり2ポイントでBCRレパトアの解析を実施したが、そのうち2ポイントで適切な検体が得られず、計18件の解析となった。 患者群の発症時、コントロール群の6ヵ月、コントロール群の1年で多様性指数の中央値を比較すると、Shannon-Weaer index 7.89 vs. 8.19 vs. 8.43、Inv. Simpson's index 578 vs. 669 vs. 1249、Pielou's evenness 0.768 vs. 0.784 vs. 0.804、DE50 0.012 vs. 0.014 vs. 0.021 と有意な差はみられなかった。現在、IgHV遺伝子、IgHJ遺伝子の解析結果を詳細に分析し、患者群に特徴的な遺伝子がみられるか、検討を進めている。また、免疫グロブリンの絶対量やリンパ球サブセット解析など、他の液性免疫能の指標とBCRレパトアとの関連性についても検討を進めるため、データの収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コントロール群で当初の計画よりもやや少ない検体数となったため、追加の検査の必要性について検討している。また、患者群のBCR IgHV遺伝子、IgHJ遺伝子に特徴的な遺伝子がみられるかを検証するため、症例ごとのBCRレパトアを詳細に分析することが必要であり、時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
実施した検査でIgHV遺伝子、IgHJ遺伝子の解析結果を詳細に分析し、患者群に特徴的な遺伝子がみられるか、検討を進めていく。免疫グロブリンの絶対量やリンパ球サブセット解析など、他の液性免疫能の指標とBCRレパトアとの関連性についても検討を進める予定である。
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