研究課題/領域番号 |
20K17413
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
中山 聖子 近畿大学, 医学部, 非常勤講師 (90755977)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 悪性リンパ腫 / びまん性大細胞型B細胞リンパ腫・非特異型 / 予後予測 / サイトカイン / interleukin-6 / 貧血 / 血小板減少 / びまん性大細胞型B細胞リンパ腫,非特異型 / 血球減少 / 予後予測指標 / HP index / IL-6 / DLBCL, NOS |
研究開始時の研究の概要 |
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (diffuse large B-cell lymphoma: DLBCL) の5年生存率は約60%にとどまっており、予後不良例を抽出し、新たな治療戦略の開拓が急がれている。本研究では、血液中ヘモグロビン値と血小板数に基づく新たな予後予測指標として、申請者が提唱した Hemoglobin-platelet index 【HP index】の有用性を確立する。さらに、本症に随伴する血球減少のメカニズムを、腫瘍細胞が産生するサイトカインに焦点をあてて解明する。本研究の成果は、患者の予後予測の向上だけでなく、予後や生活の質を改善する新たな治療法の開拓に繋がる。
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研究成果の概要 |
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫・非特異型 (DLBCL,NOS) の新たな予後予測指標として、我々は貧血や血小板減少の有無に基づく Hemoglobin-platelet index (HPI) を提唱した。Cox比例ハザードモデルによる生存時間分析にて統計学的に解析した結果、HPI score が高い症例ほど全生存期間及び無増悪生存期間が有意に短かった。さらにHPIは、既存の国際予後指標 (NCCN-IPI) と独立した予後予測指標であった。また、免疫染色でリンパ腫細胞がIL-6陽性の患者群では、陰性群よりヘモグロビン値と血小板数が有意に低かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が提唱したHPIは、診断時の血算所見だけで算定できるため簡便かつ安価であり、臨床現場で有用な予後予測指標である事を明らかにした。HPIを既存の国際予後指標 (NCCN-IPI) と併用するで、より正確な予後予測が可能になり、患者の適切な治療方針の選択に寄与する。また、DLBCL,NOSに随伴する貧血及び血小板減少には、腫瘍細胞が産生するIL-6が関与している事を示した。本研究成果は、今後の血球減少の病態解明や新たな抗サイトカイン療法の開拓につながる。
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