研究課題/領域番号 |
20K17415
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
古屋 淳史 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 主任研究員 (30748257)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | PD-L1 / 免疫チェックポイント分子 / ゲノム編集 / 生体スクリーニング / 悪性リンパ腫 / ゲノム編集生体スクリーニング / マウスモデル |
研究開始時の研究の概要 |
我々が見出した悪性リンパ腫におけるPD-L1ゲノム構造異常は、これまでのところPD-L1の発現上昇を介して、細胞障害性T細胞からの免疫回避能を亢進していること以外の機能的役割についてはほとんど分かっていない。そこで本研究では我々が開発したツールを用いて、PD-L1ゲノム構造異常が悪性リンパ腫の発症および維持に果たしている機能的役割を明らかにする。本研究によりPD-L1異常関連悪性リンパ腫の病態を網羅的に明らかにすることで、新規治療標的の探索および検証へと繋げる。
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研究成果の概要 |
本研究は、我々が独自に開発した細胞系列特異的にPd-l1遺伝子異常を導入したモデルマウスや、ゲノム編集技術を応用することで多数の遺伝子異常について造腫瘍能を高効率に生体内でスクリーニングできる方法を用いて、PD-L1ゲノム構造異常が悪性リンパ腫の発症および維持にどのような機能的役割を果たしているか明らかにすることを目的とした研究である。本研究の遂行によって、①正常の各リンパ球サブセットにおいてPD-L1が果たしている機能的役割や、②PD-L1異常を有する悪性リンパ腫の免疫学的表現型の特徴や、悪性リンパ腫の発症においてPD-L1異常と協調する遺伝子異常などが解明された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性リンパ腫は遺伝子異常やウイルス感染を原因とする腫瘍であり、70種類以上の病型が存在し、それぞれに特徴や予後が異なっていることから、病型に応じた新規治療標的の同定や治療法の確立が望まれている。我々は免疫チェックポイント分子のひとつであるPD-L1のゲノム構造異常が悪性リンパ腫において認められることを明らかにしてきたが、本研究では、モデルマウスや最新ゲノム編集技術を駆使することで、PD-L1の正常リンパ球における役割や、PD-L1異常を伴う悪性リンパ腫の特徴を明らかにした。この技術は他遺伝子にも応用可能であり、今後の遺伝子異常に応じた治療法の開発研究に貢献する。
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