研究課題/領域番号 |
20K17416
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 京都大学 (2022) 国立研究開発法人国立がん研究センター (2020) |
研究代表者 |
服部 鮎奈 京都大学, 医生物学研究所, 准教授 (60820420)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | がん幹細胞 / 細胞運命決定 / 白血病 / 転写後制御 |
研究開始時の研究の概要 |
がん幹細胞は、化学療法薬や放射線照射に高い抵抗性を示し、がん組織の長期的維持や部分寛解後の再発に寄与する細胞集団で、白血病や脳腫瘍など様々な腫瘍に存在する。動物モデルでは、がん幹細胞を除くことでがんが治癒することが証明されている。従って、がん幹細胞システムの分子的理解は、腫瘍生物学および治療法開発という観点から不可欠である。これまでに、転写後調節を担うRNA結合因子ががん細胞の代謝変化を介して細胞を未分化に保つことを明らかにしてきた。本研究は、転写後調節によるタンパク質発現変化がどのようにがん幹細胞性の維持に寄与するのか解明する研究である。
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研究成果の概要 |
がん組織には、再発や転移の原因となる特殊な細胞集団であるがん幹細胞が存在することが近年明らかにされてきた。正常な組織幹細胞と同様に、がん幹細胞は自身の未分化性を保つと同時に、増殖能の強いがん細胞を産生する二つの側面を持つ。本研究は、このがん幹細胞の未分化性を維持する新たな活性制御機構について解明することを目指した。その結果、未分化性を維持するのに必須のRNA結合タンパク質が翻訳語制御を受けることでがん幹細胞が分化すること、分化することでがん幹細胞が消失することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗がん剤治療における重要な課題は、がん幹細胞によって引き起こされる治療抵抗性と再発・転移である。がん幹細胞は、それのみで腫瘍を再構築する能力を持つ特殊な細胞集団で、未分化状態を維持した自己を保つつと同時に、腫瘍の維持に寄与する。動物モデルを用いた研究では、がん幹細胞の除去によりがん組織が消失することが示された。しかし、いまだがん幹細胞を標的とした治療は存在しない。本研究では、がん幹細胞の未分化性を維持するタンパク質の活性制御機構の一端を明らかにした。今後、この制御分子を同定することで、これを基にした創薬に繋がる重要な成果だと考えている。
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