研究課題/領域番号 |
20K17418
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2021) 京都大学 (2020) |
研究代表者 |
渡部 龍 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40723218)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | Rheumatoid arthritis / Regulatory T cells / Synovitis / 高齢発症関節リウマチ / CD8+制御性T細胞 / CD4+制御性T細胞 / 滑膜炎 / 制御性T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
関節リウマチ(RA)は、40~50代の女性に好発するが、近年、60歳を超えて発症する症例(高齢発症RA)が増えており、60歳以下で発症する若年発症RAと比べ、疾患活動性が高く、関節破壊の進行が早いことが報告されている。しかし、その機序は明らかではない。 制御性T細胞は過剰な免疫応答の抑制に働くT細胞サブセットで、CD4陽性(CD4 Treg)とCD8陽性(CD8 Treg)の二群に分けられるが、老化に伴って、特にCD8 Tregの機能が低下する。高齢発症RAは若年発症RAに比べ、CD8 Tregの機能不全のため疾患活動性が高く、関節破壊が進みやすいという仮説を検証する。
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研究成果の概要 |
合計40名の患者(EORA、n = 17、YORA、n = 23)が登録された。現在の疾患活動性と治療内容は両群間で同等であったが、IL-1、TNF、IFN-g、IL-2、IL-10など複数のサイトカインレベルはEORAで有意に上昇した。CD4+Tregの数は両群間で差がなかったが、CD8+Tregの数はEORAで有意に減少していた(p = 0.0033)。CD8+ Treg数は、血漿中のMMP-3レベルと逆相関していた(r = -0.3331, p = 0.036).本研究の結果、EORA患者ではCD8+ Tregが本質的に欠損していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々の研究は、EORA患者のCD8+ Tregの欠乏を世界で初めて明らかにし、そのため、滑膜炎が抑制されず、MMP-3が過剰に放出されている可能性を報告した。そのため、今後、CD8+ Tregを回復させる治療法が、EORAの新たな治療戦略となりうる可能性がある。
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