研究課題/領域番号 |
20K17442
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
浅野 澄恵 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80816497)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | SLE / S1PR1 / microRNA / エピジェネティクス / miR223 / T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
全身性ループスエリテマトーデス(SLE)の末梢血単核細胞ではスフィンゴシン1リン酸受容体1 (S1PR1)の発現低下が報告され、SIP-SIPR1シグナルの病態への関与が考えられている。我々はSLEモデルMRL/lprマウスの脾臓CD4+T細胞の網羅的エピゲノムライブラリーを作成し解析した。その結果、S1pr1の発現低下とともに、その遺伝子を標的とするmicro RNA 223-3pの発現亢進を見いだした。本研究では、miR223を介したS1PR1発現制御による病態関与を解明するため、miR223欠損MRL/lprマウスを作成し、疾患活動性の変化が得られるか表現型の差異を解析する。
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研究成果の概要 |
SLE由来CD4陽性T細胞において新規疾患関連遺伝子を探索するため、SLEモデルマウスMRL/lpr (MRL) 及び対照群C57BL/6よりmRNAとmiRNAを抽出し、網羅的シークエンス解析を行い、MRLにおいてスフィンゴシン1-リン酸受容体 (S1pr1)の有意な発現低下とmiR223の有意な発現亢進を確認した。Mir223欠損MRLを作成し解析したところ、脾臓CD4陽性T細胞のS1pr1の有意な増加とその糸球体への有意な浸潤を認め、尿蛋白および糸球体スコアの増悪傾向を認めた。以上から、Mir223欠損はS1pr1の発現を上昇させ、リンパ球の炎症臓器浸潤を促進することを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SLEの新規治療薬を見いだすため、その発症機序に着目し、後天的遺伝子制御に関与するmiRNAとそのターゲットmRNAを探索した。SLEのCD4陽性T細胞で、miR223の発現を代償的に亢進させることにより標的遺伝子であるスフィンゴシン1-リン酸受容体 (S1pr1)の発現を低下させ、脾臓CD4陽性T細胞の増加とその糸球体への浸潤を抑制し、尿蛋白および糸球体スコアの増悪を抑制していることを確認した。ループス腎炎においてMir223の発現亢進は代償的にループス腎炎悪化を抑制する役割を果たすことが示唆された。Mir223 がSLEの病態解明や新規治療ターゲットになりうることが期待される。
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