研究課題/領域番号 |
20K17449
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
松枝 佑 北里大学, 医学部, 助教 (00623208)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | SLE / 抗RNP抗体 / 抗Sm抗体 / 中枢神経病変 / PBMC / M2マクロファージ / NPSLE / Monocyte / 抗リボソームP抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
全身性エリテマトーデス(SLE)は、疾患特異的自己抗体の存在を特徴とする自己免疫性疾患である。その中でも中枢神経病変はSLEにおける難治性病変であり、その発症メカニズムについてはとりわけ未知な部分が多い。我々が行った基礎的検討から、SLE疾患特異的自己抗体は単球細胞表面に結合し炎症性サイトカインの産生促進を介してSLEの中枢神経病変の発症に関与する可能性が示唆されている。しかし、自己抗体の細胞表面への結合で生じる炎症性サイトカイン上昇のメカニズムについては不明である。本研究では、SLE疾患特異的自己抗体の細胞表面エピトープの探索と活性化されるシグナル伝達経路を解明する。
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研究成果の概要 |
全身性エリテマトーデス(SLE)の中枢神経病変は難治性にもかかわらず、その発症メカニズムは未解明な点が多い。本研究では、SLE特異的自己抗体が単球表面に結合し、炎症性サイトカインの産生を促進するメカニズムを解明することを目的とした。フローサイトメトリーおよび共焦点レーザー顕微鏡解析により、抗RNP抗体が抗Sm抗体よりも単球への結合力が高いことが判明した。また、NFκB経路の活性化による単球の炎症性サイトカイン産生の増加が示唆された。これらの結果は、SLE特異的自己抗体が単球を介して中枢神経病変に関与する可能性を示しており、新たな治療戦略の開発に重要な知見を提供する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究にて抗RNP抗体が抗Sm抗体と共に存在することで、NFκB経路の活性化され、単球の炎症性サイトカイン産生の増加することが明らかになった。さらに、この自己抗体の作用はFcレセプターを介さない経路である可能性が示唆された。 これらの結果は、SLE特異的自己抗体による中枢神経病変の発症のメカニズムの一端を明らかにしたものであり、SLEの新たな治療戦略の開発に重要な知見を提供するものである。今後は、自己抗体の単球に対する詳細な作用メカニズムの解明が求められる。
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