研究課題/領域番号 |
20K17456
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
樋口 智昭 東京女子医科大学, 医学部, 寄附部門講師 (80836966)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 強皮症 / 線維化 / PDE阻害薬 / 全身性強皮症 |
研究開始時の研究の概要 |
強皮症の病態は、①自己免疫異常(炎症)、②線維化、③血管障害の「3つの異常」により引き起こされる。有効な治療法の確立のためにも、その詳細なメカニズムの解明が喫緊の課題である。申請者らは、ホスホジエステラーゼ(PDE)を阻害することが「3つの異常」の改善につながるとの仮説を立て、検証を行なっている。本研究では、皮膚線維芽細胞や皮膚組織を用いて、PDEアイソザイムの発現を網羅的に解析し、その阻害により「3つの異常」が改善するかどうかを評価する。
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研究成果の概要 |
申請者らは、ホスホジエステラーゼ(PDE)を阻害することが、強皮症の病態である①自己免疫異常(炎症)、②線維化、③血管障害の「3つの異常」の改善につながると考えて研究を行った。具体的には、PDEのアイソザイムの1つである、PDE4に着目し、強皮症皮膚線維芽細胞および強皮症モデルマウスに対する、PDE4阻害薬であるアプレミラストの線維化抑制作用についての検討を行った。培養強皮症皮膚線維芽細胞細胞にアプレミラストを添加したところ、皮膚線維芽細胞からのI型コラーゲン産生を抑制した。さらに、強皮症モデルマウスであるブレオマイシンマウスにアプレミラストを投与すると、皮膚硬化の進展を抑制することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果、PDE4阻害薬が強皮症の病態である線維化の進行を抑制しうることが、強皮症皮膚線維芽細胞を用いた検討でも実証された。さらに、強皮症マウスモデルを用いた検証でも、PDE4阻害が皮膚線維化進展を抑制するだけでなく、強皮症の病態である、自己免疫異常や炎症を制御しうることが示された。これらの結果は、これまで標準治療が確立されていない強皮症に対し、PDE4阻害薬が革新的治療法となるポテンシャルを有することを示唆し、新規治療法の開発につながることが期待される。
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