研究課題/領域番号 |
20K17464
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 (2023) 名古屋大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
堀場 千尋 国立感染症研究所, 病原体ゲノム解析研究センター, 室長 (40844907)
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研究期間 (年度) |
2022-12-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 新生児敗血症 / メタゲノム解析 / 次世代シークエンス / 感染症診断 / メタゲノム / マイクロバイオーム / 次世代シークエンサー / 微生物叢 / 感染予測 |
研究開始時の研究の概要 |
新生児敗血症は死亡率の高い疾患であり発症を予測する方法が求められている。母体由来の常在細菌叢の移行は新生児の常在細菌叢形成に重要である一方で、母親から胎内・出生時に移行する微生物が新生児敗血症の主な原因とされている。このことから出生時の児の常在細菌叢を解析することで、新生児敗血症の発症予測ができるのではないかと考えた。本研究では、出生時の児の皮膚擦過物、胃液、便と敗血症発症時の血液に対してマイクロバイオーム解析を行うことで新生児敗血症の病原微生物と発症因子を明らかにすることを目的とし、これにより新生児敗血症の発症予測や予後向上が期待される。
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研究実績の概要 |
新生児感染症は重症化しやすく、敗血症に至ったとき死亡率は 13~25%と高いが、標準的な微生物検査法での病原微生物同定率が低いため診断が難しい。本研究の目的は、新生児感染症発症時に採取した臨床サンプルに対して ショットガンメタゲノム解析を行うことで、新生児感染症の病原微生物と新生児敗血症発症因子を明らかにすることである。 2021年度につづき、新生児感染症、特に呼吸障害患者の急性期より採取した血液、胃液のマイクロバイオーム解析を行なった。対象症例は30症例、呼吸障害の原因は、新生児一過性多呼吸が47%、呼吸窮迫症候群が23%であった。慢性肺疾患III型とIII'型は5例、母体の胎盤病理検査で絨毛膜羊膜炎が8例報告された。血液培養はすべて陰性で胃液培養はGBSとCandida albicansがそれぞれ1例ずつ陽性であった。血液サンプルからは新生児呼吸障害の原因となる新たな微生物は特定できなかった。胃液サンプルのマイクロバイオーム解析からは、Ureaplasma属が検出された群は母体の絨毛膜羊膜炎と関連することが明らかとなった。これまでにも別手法ではあるもののUreaplasma属と前期破水、重症慢性肺疾患、児死亡との関連の報告があり、マイクロバイオーム解析は矛盾のない結果を導いた。一方で、Ureaplasma属以外に臨床経過との関連を示唆する微生物はなかった。これらの結果より、Ureaplasma属の検索は新生児呼吸障害の早期診断や治療対象になる可能性が示唆された。新生児呼吸障害に対する臨床サンプルに対するマイクロバイオーム解析では血液より胃液のほうが検体として有用であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請者の海外留学後の所属異動による研究体制の整備、新型コロナウイルス感染症流行によるサンプル収集の遅延の影響もあり進捗はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度より小児科領域の敗血症のThe Phoenix Sepsis Scoreが運用開始された。本Scoreによって評価された重症度とマイクロバイオーム解析の関連を調査した研究は少ない。新たに臨床側の追加情報としてThe Phoenix Sepsis Scoreを使用し、引き続き症例収集を行い、本研究課題の目的である臨床サンプルに対して ショットガンメタゲノム解析を行うことで敗血症の病原微生物と新生児敗血症発症因子を明らかにする。
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