研究課題/領域番号 |
20K17482
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
浅井 洋一郎 東北大学, 大学病院, 助教 (50754925)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 糖尿病 / インスリン抵抗性 / 肥満 / 脂肪肝 / 高インスリン血症 |
研究開始時の研究の概要 |
血糖値を下げるホルモンとして知られるインスリンは、成長因子の性質を持っており、高インスリン血症は肥満を引き起こしやすくする。インスリンは膵臓から分泌されるが、約半分が肝臓で分解されることが知られている。しかし、肥満に伴う脂肪肝では肝臓におけるインスリン分解が低下することが報告されており、その結果、高インスリン血症がもたらされ、さらに肥満が助長されることが考えられる。そこで研究代表者は、肥満や脂肪肝における肝臓のインスリン分解低下の機序を、マウスを用いて検討する。本研究により、肥満に伴う高インスリン血症における肝臓の役割を検討し、肥満を予防・抑制するための基盤となる知見を得ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
研究代表者らは野生型マウスに対し高脂肪食負荷を行うことで肥満・脂肪肝モデルマウスを作成し、肥満に伴う高インスリン血症における肝臓の役割を検討した。肥満に伴い肝臓のインスリンクリアランスが低下していることがわかった。肝臓におけるインスリン分解に関わる分子の遺伝子・蛋白発現が低下しており、肝臓のインスリンクリアランス低下の原因の一つである可能性が考えられた。また、脂肪肝に伴い、類洞内皮細胞の篩板孔が減少しており、この変化もまた、肝臓のインスリンクリアランス低下の要因の可能性が考えられた。脂肪肝における類洞内皮細胞では、炎症反応や細胞外基質に関わる遺伝子群の発現が上昇していることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究代表者らは、肥満・脂肪肝モデルマウスを用いて、全身の高インスリン血症における肝臓の役割を検討した。脂肪肝においては、インスリン分解に関わる分子の発現が低下していることがわかった。また、類洞内皮細胞の形態変化により、インスリンのクリアランスが低下している可能性が考えられた。これまで、肥満に伴う高インスリン血症は膵臓からのインスリン分泌亢進が主な要因と考えられてきたが、肝臓の役割も大きいことが示唆された。本研究により肥満の形成メカニズムへの理解や、肥満を抑制するための治療戦略の開発につながることが期待される。
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