研究課題/領域番号 |
20K17484
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
石田 恵美 群馬大学, 生体調節研究所, 准教授 (80806357)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 糖尿病 / 膵β細胞機能不全 / 食事療法 / 肥満 / 脂肪肝 / 主要栄養素バランス / 膵β細胞機能 / 膵β細胞脱分化 / 主要栄養素 / シングルセル解析 / RNAシークエンス / β細胞機能不全 / インクレチン / FGF21 / 過食肥満 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病では、徐々に膵のインスリン分泌細胞(β細胞)からのホルモン分泌が減っていくβ細胞機能不全という現象が起こることがある。その原因の一つに、胎児期に一度成熟したβ細胞が糖尿病になってから未熟な状態に戻ってしまうβ細胞脱分化という現象が関与することが最近解明された。過食による肥満・糖尿病を呈するモデルマウスでカロリー制限をするとβ細胞脱分化が改善するが、脂質よりも糖質を主にカロリー制限した方がβ細胞脱分化も、脂肪肝もよくなることが先行研究で判明している。本研究では、糖質や脂質を摂取した時の腸・肝・β細胞でのタンパク質・ホルモンの動きを解明し、糖尿病や脂肪肝の治療に役立てることを目指している。
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研究成果の概要 |
2型糖尿病では、膵β細胞の機能不全によるインスリン分泌低下が臨床的に問題となる。膵β細胞脱分化は、糖尿病におけるβ細胞機能不全の一因として近年注目されており、筆者らは肥満糖尿モデルマウスにおいて、既存の糖尿病治療の中では、食事制限がよりよくβ細胞脱分化を防ぐことを報告した。本研究では、糖質/脂質比を変えて食事制限を行うと、膵β細胞脱分化の進行抑制の程度に違いが生じるとともに、肝脂肪化にも差が生じることをつきとめ、特に肝臓における分子機構について、その一端を明らかにした。本研究は、β細胞脱分化を防ぐという新たな視点での食事療法の発展や、β細胞機能と他臓器、栄養素との関連の解明の一助となりうる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、糖尿病におけるβ細胞脱分化の進展には、摂取する栄養素、特に糖質/脂質のバランスと、肝における脂肪化が関連することを明らかにしたものであり、いまだに明らかでないβ細胞脱分化の分子メカニズムの解明や、β細胞脱分化の改善を目指した新たな食事療法の提案、β細胞脱分化と他臓器の連関など、糖尿病の発症・進行・予防や治療と密接に結びつく知見につながると考えられる。β細胞が脱分化した段階で治療介入できれば、β細胞の死滅による不可逆的なインスリン分泌不全におちいることが防がれ、インスリン自己注射などの複雑で高額な療養を要したり、進行した合併症で患者も社会も負担になることを避けたりしうると期待される。
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