研究課題/領域番号 |
20K17485
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
木下 大輔 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (50868635)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 遺伝性早老症Werner症候群 / 細胞老化 / SASP / 脂肪分化・萎縮 / インスリン抵抗性 / mTORシグナル伝達経路 / ラパマイシン / ウェルナー遺伝子ノックアウト線虫 / 遺伝性早老症ウェルナー症候群 / 老化 / 老化関連分泌表現型SASP / 脂肪分化 / Hippo YAP/TAZ経路 / 耐糖能異常 / 内臓脂肪蓄積 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会を迎えた本邦において老化研究は重要な課題である。Werner症候群は、RecQ型DNAヘリカーゼであるWRN遺伝子の変異を原因とする遺伝性の早老症であり、ヒト老化のモデル病態であると言われる。すなわち、その患者細胞の表現型や遺伝子発現などの解析を通じ一般的な老化にも敷衍可能な分子メカニズムを同定できる可能性がある。本研究では、Werner症候群におけるインスリン抵抗性ならびに内臓脂肪蓄積に着目し、患者由来脂肪細胞を用いることで、老化に伴う耐糖能異常の機序解明を目指す。
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研究成果の概要 |
遺伝性早老症Werner症候群患者の皮下脂肪減少はインスリン抵抗性と相関することを明らかにした。患者の皮下脂肪由来の細胞(以下、患者細胞)を用いた解析では、早期細胞老化の徴候を認めた。遺伝子発現の網羅的な解析を行い、患者細胞では染色体制御や細胞分裂に関連する遺伝子発現が低下していた。また、患者細胞における脂肪分化の抑制を確認するとともに、インスリンシグナルの低下も確認した。老化との関連が着目されるmTORシグナル伝達経路の阻害薬であるラパマイシンは、前述の早期細胞老化、インスリンシグナル低下を改善するとともに、早老症モデル線虫の寿命を延長した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、遺伝性早老症Werner症候群の皮下脂肪における早期老化を細胞レベルで初めて証明し、インスリン抵抗性に寄与することを示唆した。また、本疾患におけるmTORシグナル伝達経路を標的とした治療の有望性も提示した。遺伝性早老症Werner症候群は、ヒト老化のモデル疾患と言われ、老化に伴う耐糖能異常の新規治療戦略へ向けた基盤構築につながり得る。
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