研究課題/領域番号 |
20K17487
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
関根 哲生 山梨大学, 大学院総合研究部, 臨床助教 (70835975)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 糖尿病 / 脂肪肝 / セリンプロテアーゼ / マトリックスメタロプロテアーゼ14 / 細胞外シグナル調節キナーゼ / プロスタシン / 肥満 / 肝細胞 / 耐糖能 / 脂質代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
セリンプロテアーゼの1つであるプロスタシン(PRSS8)は,Toll様受容体(TLR)4の切断を介し肝臓の慢性炎症を抑制し,インスリン抵抗性が改善する調節機構が報告されている.予備実験から,肝PRSS8にはTLR4以外の基質蛋白が存在し,脂質代謝にも関与する結果を得た.このことは,肝PRSS8を起点とした新たな糖・脂質代謝調節機構が存在することを示唆する.本研究では、肝PRSS8の基質の網羅的解析を行い,新規基質蛋白を同定する.加えて,新規に同定した基質蛋白やその下流分子についてin vitro,in vivoにおける検討で明らかにし,肝臓における新たな糖・脂質代謝調節機構の解明を目指す.
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研究成果の概要 |
世界的な健康課題である糖・脂質代謝異常において、肝臓は重要な役割を担っている。セリンプロテアーゼの1つであるプロスタシンは、機能喪失の実験系においてトール様受容体4を切断し肝臓におけるインスリン感受性を調節する。しかし、プロスタシン機能獲得の実験系における糖・脂質代謝への影響は未解明である。研究代表者は、高脂肪食給餌下肝細胞特異的プロスタシン過剰発現マウスは体重非依存的な糖代謝・脂肪肝の改善を示した。プロスタシンはマトリックスメタロプロテアーゼ14の活性化を介し細胞外シグナル調節キナーゼのリン酸化を亢進させた。以上は、プロスタシン機能獲得の実験系における糖・脂質代謝調節機構の解明につながる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肥満の増加に伴う糖・脂質代謝異常は世界的な健康課題であり、その機序解明は予防・治療・創薬の観点から重要である。プロスタシンの機能喪失の実験系において、プロスタシンはインスリン感受性に関与することが示されていたが、プロスタシンの臨床応用を考慮する際にはプロスタシン機能獲得の実験系における検証や分子機序の解明が必要となる。今回、肝細胞特異的プロスタシン過剰発現マウスを作成し、プロスタシン機能獲得の実験系における糖・脂質代謝への影響を検証し、その分子機序を明らかにしたことは今後の糖・脂質代謝疾患の予防・治療・創薬の分野において重要な成果と考える。
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