研究課題/領域番号 |
20K17489
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
臼井 亮太 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (40850996)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | カルシウム / 糖新生 / インスリン分泌 / インスリン / インクレチン / 小胞体ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
近年炭酸脱水酵素8 (Car8) がIP3受容体を介した小胞体からのカルシウム放出を負に制御することが報告され、その役割について注目されているが、膵β細胞におけるその生理学的意義や制御機構は不明である。本研究ではCar8に注目し、Car8を欠損する膵β細胞株、Car8を欠損するマウスを作出し、耐糖能やインスリン分泌能、小胞体ストレスマーカーを評価すると同時に、糖尿病モデル、肥満モデルにおけるCar8の活性と表現系に対する影響を検討することでCar8の膵β細胞における役割を明確化しインスリン分泌増幅経路を更に増強する新たな手段を模索する。
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研究成果の概要 |
Car8欠損マウスの単離膵島においてインスリン分泌や細胞内カルシウムにおいて有意な差を認めなかった。このことは単離膵島におけるCar8の発現が少なかったことが影響していると考えられる。 一方Car8は肝細胞に高発現しており、Car8ノックマウスから単離した肝細胞では野生型マウスと比して糖新生は有意に増加していた。ピルビン酸や乳酸などの糖新生を誘導する基質を加えた状態における肝細胞の細胞内カルシウム濃度の解析を行ったところ、野生型マウスと比して有意な細胞内カルシウム濃度上昇を認めた。 このことからCar8は細胞内カルシウムシグナルを介して糖新生を負に制御していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖代謝において、膵β細胞によるインスリン分泌のみならず、肝臓での糖新生も需要な役割を担っている。 今回単離膵島、及び膵β細胞株においては発現量の少ないことが影響してかCar8欠損によるインスリン分泌の変化は同定できなかったが、肝細胞においてはCar8は細胞内カルシウムシグナルを介して糖新生を負に制御していることが示唆され、糖新生を制御する因子としてCar8がターゲットとなりえる可能性を示唆した。
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