研究課題/領域番号 |
20K17491
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
諌山 慧士朗 山口大学, 大学研究推進機構, 助教 (30780887)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 卵巣老化 / アルドケト還元酵素 / ゲノム編集 / 性周期 / i-GONAD法 / RNA-seq / GONAD法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、 AKR1B7ノックアウトマウスにおける生殖機能の変化および卵巣老化の進行を詳細に解析し、AKR1B7の役割を解明する。AKR1B7が卵巣老化の進行に関与するのであれば、自然な卵巣老化から見出した原因分子として世界初の報告となる。ヒト卵巣寿命の延長に向けた分子基盤研究の扉を開く。
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研究成果の概要 |
これまでマウス卵巣の網羅的な遺伝子発現解析から、老化卵巣でhCG応答とともに間質・莢膜細胞層のアルドケト還元酵素1B7(AKR1B7)の顕著な低下を見出していた。AKR1B7を欠損させた若齢マウス卵巣はどのような異常が生じるか解析したところ、RNA-seq解析から脂質合成に異常があることが推測され、実際にリン脂質量やAKT活性の低下を認めた。またリン脂質をリガンドとするSF1の下流遺伝子で発現低下が認められ、下流のプロゲステロン代謝酵素CYP17A1の低下とプロゲステロン 血中濃度増加、さらに性周期の延長を認めた。以上、AKR1B7低下が引き起こす脂質異常が卵巣老化進行に関与すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
卵巣老化は妊娠能力低下を招くと同時に、卵巣ホルモン分泌異常により動脈硬化、骨粗しょう症、認知症といった加齢性疾患のリスク要因となる。その分子メカニズムを理解することは不妊治療にとって、さらに社会にとっても少子化緩和や健康寿命の増進を実現する上で重要である。本課題では老化卵巣で減少するアルドケト還元酵素1Bが、若い卵巣の脂質およびホルモン合成・代謝に関与していることが分かった。加齢に伴う月経周期や卵胞発育の異常を引き起こす因子の一つであることを示唆した。
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