研究課題
若手研究
特発性アルドステロン症(idiopathic hyperaldosteronism; IHA)は、アルドステロン過剰分泌の程度、臓器障害合併の程度も様々でありながら、その成因解明は進んでおらず、その全てに一様の診断、治療がなされている。病態解明によるその診断の精緻化、真に治療介入を必要とする高リスク患者の抽出は急務である。本研究はレプチン測定、メタボロミクス解析、性別・肥満の有無による臨床像の比較、単球機能評価を通して、「肥満を伴うIHA」の成因、臨床像、病原性を明らかにし、肥満合併高血圧の病態解明、IHAの診断・治療の精緻化への端緒となることを目指すものである。
まず、特発性アルドステロン症(IHA)を含む副腎疾患レジストリーを構築、次に、高血圧患者からIHAを効率的に診断、抽出する方法として、IHAに特徴的なアルドステロン分泌プロファイルを明らかにし、日常外来診療で行われる血液検査項目から機械学習を用いてIHAを予測するモデルも構築した。そして、IHA症例での検討において、皮下脂肪量と分泌量が相関する血中レプチン濃度が、女性においてアルドステロン分泌量と相関することを見出した。すなわち、肥満女性においてレプチン依存性にアルドステロン過剰分泌をきたす「肥満誘導性アルドステロン症」が存在することが示唆された。
女性において肥満がハイリスク高血圧である原発性アルドステロン症に類似する病態を誘導することが明らかになった。これにより、肥満者に合併する高血圧の病態の一部、その性差が明らかとなり、高血圧診療および原発性アルドステロン症診療の精緻化、個別化につながるものと考えられる。
すべて 2022 2021 2020
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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