研究課題/領域番号 |
20K17517
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
都間 佑介 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (60843290)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | エリスロポエチン / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 肥満 / 褐色細胞 / 褐色脂肪細胞 / 脂質代謝 / メタボリックシンドローム |
研究開始時の研究の概要 |
近年、肥満の増加に伴い非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)の有病率が増加しており、死亡率の増加や医療経済の圧迫に繋がっている。現時点ではNAFLDに対する有効な薬物治療は十分に確立されておらず、運動療法や食事療法が中心となっている。代表研究者らは貧血の治療としてひろく使用されているエリスロポエチン(EPO)が抗肥満効果を有することに注目して研究を続けており、動物実験においてEPOがNAFLDや脂質代謝の改善効果を示したことを報告している。今後EPOのNAFLDや脂質代謝に与える影響についてさらなる検討を行い新規の治療薬の開発につながるような研究を進めていく。
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研究成果の概要 |
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)への薬物療法は十分に確立していない。エリスロポエチン(EPO)は赤血球造血作用があり、腎性貧血などに対して用いられているが、様々なオフターゲット効果が報告されており、その一つに抗肥満・糖尿病作用がある。申請者は先行研究にてEPOがNAFLDでの脂質代謝改善を導くことを示したが、その機序は完全に解明できてない。本研究は褐色脂肪活性化がEPOのNAFLD改善作用を媒介すると仮説を立て検証を行ったが、既存の褐色脂肪活性化を導く薬剤2種類を用いた動物実験において、それらは肝臓炎症を改善せず、褐色脂肪はEPOのNAFLD改善を媒介しない可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
褐色脂肪の機能亢進/低下がNAFLDの病態の軽減/増悪に寄与する報告がある。申請者の先行研究(EPOのNAFLD改善作用)と、申請者らのグループの先行研究(EPOの褐色脂肪活性化作用)を踏まえてEPOのNAFLD改善に褐色脂肪が関与すると仮説を立て検証した。しかし、褐色脂肪活性化の作用がある既存の薬剤2種類は、肥満モデルマウスの肝臓炎症を改善しなかった。よって、EPOが直接的に肝臓に作用もしくは他臓器などを介して肝臓に作用し、NAFLD改善を導いた可能性が示唆される。EPOのNAFLDにおける臨床応用の観点において、EPOのNAFLDに対する作用機序の一つを証明した点で社会的意義がある。
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