研究課題/領域番号 |
20K17520
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 関西医科大学 (2022-2023) 上智大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
岩下 洸 関西医科大学, 医学部, 助教 (90802489)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | AMK / Melatonin / 学習 / 記憶 / 抗加齢 / 行動 / 内分泌 / melatonin / メラトニン / 長期記憶 / 加齢 / 老化 / 代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで我々はメラトニンの急性効果による学習記憶の増強作用は、その代謝産物であるAMKが長期記憶誘導作用を持つことによることを報告してきた。しかし、AMKの生理的な作用や役割に関する報告は殆どなく、AMKと記憶の関係について論じた報告はなされていない。長期記憶形成を明確に促進する生体物質の報告はこれまでになく、本研究の目的である急性効果により強力な長期記憶誘導作用を持つAMKの作用機序の解は、学習・記憶の神経機構解明に大いに役立つものであると考えられる。
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研究成果の概要 |
概日リズムの調整において重要な役割を果たすメラトニンは学習記憶能力を増強する作用を持つ。本研究では、この増強作用がメラトニン代謝産物であるAMKの作用に起因していることを示し、AMKをたった1回投与するだけで作業記憶、物体認識記憶、空間記憶といった多様な記憶を増強できることを、若齢マウスだけでなく老齢マウスも用いて示した。また、内因性のAMKについても学習記憶の形成を調節している可能性を示した。これらのAMKによる学習記憶の増強作用は、ERKとCaMKⅡの活性化を介したCREBの活性化に起因している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本における高齢者人口の増加は著しく、認知機能低下の予防や改善をもたらす新たなアプローチの開発が持つ重要性は増している。本研究では、メラトニン代謝産物であるAMKが多様な記憶を増強することを示し、老齢個体においても有効であることを確認した。メラトニンは生体内で元々分泌されているホルモンであり、長期にわたる利用や高濃度の利用においても高い安全性が報告されていることから、その代謝産物であるAMKも比較的安全であることが予想され、ヒトへ応用できる可能性は高い。今後さらなる研究を経て、AMKの臨床応用が進めば、認知機能の低下に苦しむ人々のQOL向上に繋がることが期待される。
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