研究課題/領域番号 |
20K17525
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井泉 知仁 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (80747064)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 膵β細胞 / 再生医療 / 自律神経 / 臓器間ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
生体内の細胞を増殖させることでその機能を回復させる再生治療は、多くの疾患に対して有望な治療法である。糖尿病はインスリン分泌細胞である膵β細胞の減少が基盤となっており、また肝臓は旺盛な再生能を有しているものの、その大部分を切除するような手術後の予後は決して良好とは言えない。本研究は、我々がこれまで見出してきた神経シグナルによる細胞増殖誘導について、詳細なメカニズムの解明や動物モデルに対する応用を進めることで、膵β細胞や肝臓の増殖、再生を促進させるという新たな再生治療の開発を目指すものである。
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研究成果の概要 |
本研究では迷走神経シグナルによる細胞増殖機構の解明とその治療応用を見据えた基礎実験を行った。まずマウス単離膵島に迷走神経因子を負荷した際の細胞内シグナルを遺伝子発現の網羅的解析にて探索し、候補となる経路を同定した。また生体マウスにおいて、光遺伝学の手法を用いて迷走神経を継続的に活性化したところ、膵β細胞量を増加させることに成功した。またマウス単離膵島に対して、迷走神経因子と同様にG蛋白共役型受容体のリガンドとなる複数の因子を負荷する実験を行い、膵島細胞増殖を誘導するいくつかの因子の組み合わせを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、研究代表者が所属するグループが見出した神経シグナルを介した細胞増殖誘導機構を応用することで、生体内あるいは生体外で標的となる細胞量を増加させることができることを示した。これらの成果は、膵β細胞が減少することにより発症する糖尿病をはじめとした、種々の疾患に対する再生治療の開発につながることが期待される。
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