研究課題
若手研究
ホルモン分泌副腎腫瘍の中でも頻度が高いコルチゾール産生腫瘍(CPA)は、申請者がCPA臨床検体を用いて、NGSと臨床パラメータの統合解析を行ない、CPAがほぼ全例排他的にPKA/GNAS/WNT変異群の3群に分類されることを明らかにしてきた。しかし、これらの排他的な遺伝子変異がどのように腫瘍形成に関連するのかという点は不明である。本研究では、PKA/GNAS/Wnt遺伝子変異の知見を基盤として、組織レベル、シングルセルレベルの解析を通じて、腫瘍発生のメカニズムを中心としたコルチゾール産生腺腫の分子基盤の解明を行う。本研究の成果はCPA診断治療における個別化医療の礎となることが期待される。
cortisol-producing adenomas(CPA)というホルモン分泌腫瘍がどのように形成されるのか、そのメカニズムについては十分にわかっていない。本研究は、ヒト副腎皮質腫瘍組織を対象に、シングルセル解析による単一細胞レベルでの遺伝子変異/発現解析を行うことで、CPA腫瘍形成の分子病態およびジェノタイプ-フェノタイプ多様性の分子基盤を明らかにすることである。そのために臨床内分泌学的機能検査を含めた患者情報と組み合わせることで、CPAの細胞-組織(病理)-臨床データの統合的解析を推進する。この研究成果は、個別化医療を目指した次世代型のCPAの診断分類構築の基盤となることが期待できる。
本研究の学術的意義として、希少疾患である副腎皮質系腫瘍の分子病態やCPA腫瘍形成の分子病態の解明が進み、特に、副腎の発生起源と体細胞変異導入-腫瘍形成の関連を明らかにする意義がある。ヒト副腎組織を対象とするシングルセル解析はほとんどなされておらず、公共データベースとして学術的意義を持つ。特に、CPA腫瘍について腫瘍内組織レベル、単一細胞レベルの遺伝子変異/発現解析結果と、機能検査を含めた患者情報と結合されている臨床-基礎医学の統合的データベースは、多くの臨床医および医学研究者にとって有用となる。また、この研究成果は、個別化医療を目的とした次世代型のCPAの診断分類構築の礎にもなりえる。
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日本癌学会総会記事81回
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