研究課題/領域番号 |
20K17529
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
大久保 洋輔 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (70793925)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 肥満 / 甲状腺ホルモン / 脂肪 / 肝臓 / CRYM / PPARγ / 脂肪細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞質内で甲状腺ホルモンに結合する蛋白μクリスタリン(CRYM)を欠損したマウスが高脂肪食により、肝臓でPPARγの増加を伴う脂肪肝、内臓脂肪(白色脂肪)の増大が起こり、肥満を呈することを我々は報告してきた。さらに摂餌量を正常群と同一にした場合でも白色脂肪の有意な増加を認めた。 本研究では白色脂肪、肝臓に対してCRYMの有無によるPPARγ周辺領域の遺伝子発現解析、in vitroでの変化の確認を行いその機序を解明することで、脂肪肝及び白色脂肪沈着の新たなメカニズム解明の端緒となる可能性がある。
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研究成果の概要 |
甲状腺ホルモン結合蛋白μクリスタリン(CRYM)を欠損したマウスへ高脂肪食負荷を行うと、肝臓でのPPARγの発現増加、脂肪肝及び白色脂肪組織の増大が起こり、肥満を呈する。その原因を解明するために甲状腺機能低下と甲状腺機能亢進の表現型を評価した。各条件下のマウスで野生型に比べCRYM欠損では白色脂肪の有意な増加を認め、甲状腺機能低下状態においては摂餌量低下があったにもかかわらず脂肪肝を認めた。これらの結果はCRYMの甲状腺を介さない肥満機序の存在が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は甲状腺ホルモン結合蛋白μクリスタリン(CRYM)を研究する中で、CRYM欠損が肥満を呈することを見出してきました。もともと甲状腺ホルモンの低下は脂肪沈着や脂肪肝といった代謝の低下を起こすことが知られており、CRYMの肥満の機序はホルモンの影響と考えられていました。しかし、今回の研究でCRYMの肥満の機序の一部が甲状腺ホルモンに関連しない事実が得られました。現時点でCRYMと直接関連した肥満の経路の解明には至れていませんが、CRYMが甲状腺ホルモンを介さない独自の肥満機序があることが示唆され、新規の肥満機序の解明、肥満症の発展につながる可能性を示唆しています。
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