研究課題/領域番号 |
20K17531
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
龍岡 久登 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (70850981)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 膵β細胞 / 増殖 / β細胞 / シングルセルRNAシークエンシング |
研究開始時の研究の概要 |
膵β細胞の増殖制御や加齢との関係については不明な点が多い。膵β細胞集団は増殖能を有する細胞と有さない細胞が混在しており、既存の膵島単位の解析では限界があるため膵β細胞を一細胞レベルで解析する必要がある。予備検討で、マウスの部分膵切除モデルを用いた単細胞レベルでの遺伝子発現変化の観察から、膵β細胞増殖がエピゲノムレベルで制御されているという仮説に至った。本研究は単細胞での遺伝子解析、オープンクロマチン解析、バイオインフォマティクス手法を用い、増殖能を持つ膵β細胞亜集団のエピゲノム特徴とその制御機構、加齢によるエピゲノム変化を明らかにし、糖尿病発症の機序解明、新規治療法発見の糸口とするものである。
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研究成果の概要 |
若齢及び高齢のC57BL/6マウスを用いて、膵β細胞増殖を誘導する膵部分切除(PPTx)を行った。術後2日で膵島を単離し、膵島全体のRNAシークエンシング(RNA-seq)およびシングルセルRNA-seq(scRNA-seq)を行い解析した。PPTxにより若齢マウスでは693の発現上昇遺伝子および573の発現低下遺伝子を認めた一方で、高齢マウスでは52の発現上昇遺伝子と31の発現低下遺伝子を認め、PPTxにより若齢マウスで膵β細胞増殖が活発化することが示唆された。scRNA-seqでは、遺伝子発現パターンからクラスタリング行ったところ、増殖前段階にて小胞体ストレス関連遺伝子の発現上昇を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病状態ではインスリンを産生する膵β細胞の量が少なくなることから,その再生を誘導する治療法の確立が期待されている。一方で,β細胞以外にも複数の内分泌細胞がある膵臓では,β細胞だけに注目して解析することが困難であった。本研究では,β細胞の増殖が促されるモデルマウスの膵臓について,一細胞レベルで遺伝子発現を観察するシングルセルRNAシークエンスを行い,β細胞の増殖過程の詳細を解析した。遺伝子発現プロファイルから細胞状態の遷移を解析する擬似時系列解析によって,増殖停止期から増殖期への遷移に関与する遺伝子群を捉え、膵β細胞が増殖するプロセスを一細胞レベルで解析することに成功した。
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