研究課題/領域番号 |
20K17544
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
服部 裕次郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (40528436)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 下垂体 / 下垂体腫瘍 / 神経内分泌学 / 遺伝子解析 / プロラクチン産生下垂体腫瘍 / プロラクチン産生下垂体腺腫 |
研究開始時の研究の概要 |
プロラクチン産生下垂体腺腫(PRLoma)は腫瘍径が小さいものでも高プロラクチン血症により特に女性では乳汁分泌や月経不順・無月経が生じ、不妊の一因となっている。治療の第一選択はドパミン作動薬による投薬治療であるが、副作用や薬剤抵抗性により手術を余儀なくされる症例も多い。ドパミン作動薬以外に確立された薬剤は存在せず、新たな治療法が望まれているが、他の下垂体腺腫では特異的な遺伝子が発見され新規治療法の確立のため研究が行われている一方、PRLomaはいまだ未解明である。本研究でその解明を行い、腫瘍発生メカニズムの解明、さらには新規薬剤治療法の開発に貢献を果たしうる基礎的知見を得ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
プロラクチン産生下垂体神経内分泌腫瘍(lactotroph PitNET)のうち、術前にドパミンアゴニスト等の薬剤治療を受けていない手術検体を用い、RNAシーケンス解析を行った。結果、対照群である正常下垂体との間で異なる遺伝子発現パターンが明らかになり、正常下垂体と比較しプロラクチン産生下垂体神経内分泌腫瘍において1275個の発現上昇遺伝子ならびに2153個の発現低下遺伝子が同定された。上位30個のDEGの中には9個の長鎖間非コードRNAが含まれていた。Integrity Pathway解析により、エストロゲン受容体シグナル、酸化的リン酸化シグナル、EIFシグナルの活性化が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既報でもプロラクチン産生下垂体神経内分泌腫瘍の発現遺伝子を検討した研究の報告はあるが、いずれも術前に薬剤治療を受け、それにより遺伝子発現に影響を及ぼした腫瘍を扱ったものであった。本研究は術前に薬剤治療を受けていない、すなわち腫瘍における遺伝子発現が薬剤修飾を受けていない腫瘍のみ選択し解析したことに新規性がある。本研究で明らかになった発現変動遺伝子はプロラクチン産生下垂体神経内分泌腫瘍の治療ターゲットとなりうる可能性があり、本研究成果の意義は高いと考える。
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