研究課題/領域番号 |
20K17548
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉澤 比呂子 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (60814746)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 神経芽腫 / 樹状細胞 / NKT細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
神経芽腫の治療成績は手術や化学療法、放射線療法による集学的治療の進歩により向上しているものの、診断時に高リスク群と判定される神経芽腫の治療成績は依然不良である。 これまでに我々は、、in vitroの神経芽腫腫瘍環境において樹状細胞の分化が阻害され、抗腫瘍サイトカイン産生抑制により抗腫瘍免疫の抑制が起こることを明らかとしてきた。しかし、神経芽腫細胞による抗腫瘍免疫の抑制メカニズムの詳細な機序は明らかではなく、抑制機構の解除法についても不明である。本研究では、神経芽腫による抗腫瘍免疫抑制機序を解明し、抗腫瘍免疫の抑制状態を制御することで、より強力ながん免疫療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
神経芽腫細胞株培養上清下で樹状細胞の抗腫瘍免疫抑制を引き起こすメカニズム解析のため、神経芽腫細胞株培養上清側と樹状細胞側の両者からアプローチを行った。既存の神経芽腫細胞株培養上清の中に分泌されているタンパク質の同定のため、上清中に含まれる全タンパク質の解析を行い、候補タンパク質を同定した。また、それぞれの分化過程の樹状細胞から抽出したRNAを用いて網羅的遺伝子解析を行い、それぞれの分化過程での遺伝子発現を比較し、候補遺伝子を同定した。これらの候補タンパク質、候補遺伝子を用いて現在抗腫瘍免疫抑制を引き起こすメカニズムについて現在解析中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、神経芽腫に対する新規治療として、腫瘍細胞表面に発現する糖脂質抗原Disialoganglioside (GD2) 抗原に対するモノクローナル抗体とIL-2、GM-CSFを併用した抗GD2抗体療法が、集学的治療を完了した高リスク神経芽腫の5年生存率を改善させることが報告されている。しかし、再発抑制に対する効果は限定的であり、未だ予後不良な患者が少なくない。本研究では、神経芽腫による抗腫瘍免疫抑制機序を解明し、抗腫瘍免疫の抑制状態を制御することで、より強力ながん免疫療法の新規開発を行うことを目的とする。この新規治療により予後が改善することで、神経芽腫の治療成績向上に貢献できる。
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