研究課題/領域番号 |
20K17551
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
塚田 遼 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (70838747)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 蛍光免疫細胞染色 / 幹細胞マーカー / CD45 / CD56 / 薬剤感受性試験 / 2継代以上の継代 / 成長因子 / 小児固形腫瘍 / 薬剤感受性 / 初代培養 |
研究開始時の研究の概要 |
今日のがん研究でしばしば用いられる「がん細胞株」は、患者の腫瘍の性質とは異なることから、基礎研究成果をそのまま臨床へ展開できないことが大きな問題であった。一方、初代培養細胞は、患者腫瘍本来の性質を保っており、樹立できれば、効率よく臨床応用に繋げることができる。2019年に非常に簡便で効率の良い手法を用いた大腸癌における初代培養細胞の樹立が報告されたが、小児固形腫瘍領域においては、初代培養細胞の樹立には至っていない。今回の研究では、小児固形腫瘍での初代培養細胞の樹立方法を確立し、かつ高い再現性を実現することで、基礎研究の成果を効率よく臨床応用に繋げることを目的とする。
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研究実績の概要 |
従来の細胞株は、実際の臨床検体の特徴を失い、モノクローナルの性質となっている。今回、患者から得られた神経芽腫の余剰検体から初代培養細胞株を作成し2継代以上の継代が可能であった検体が、実際の神経芽腫の特徴を失っていないか、つまり近似性の評価を行った。神経芽腫は表面形質がCD45-、CD56+の細胞が特徴の一つとされる。今回、in vivoで培養した細胞を集合させ、プレパラート上で蛍光細胞免疫染色を実施し評価した。当初、細胞数が安定しないため、手技に難渋したが、CD45-、CD56+の結果が得られた。以上から、初代培養細胞は、実際に臨床検体の特徴を失っていない可能性が示唆された。ほかにもCD133、CD117、CD24など幹細胞マーカーと呼ばれる抗体についても、その発現を評価し、近似性を支持する結果が得られている。さらに今後、実際の臨床検体と初代培養細胞株、また従来の細胞株からmRNAを抽出しマイクロアレイ解析を行うことで、初代培養細胞株と臨床検体細胞の近似性を追求していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
腫瘍検体数が少なく、実験スピードが制限される。 また薬剤感受性試験に有用であったincucyteの使用ができなくなった。
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今後の研究の推進方策 |
これまで作成してきた初代培養細胞株を使用する実験に注力する予定にしている。現在、細胞の蛍光免疫染色やマイクロアレイ解析の実験にシフトしている。初代培養細胞、実際の臨床検体、従来の細胞株の性質の近似性を評価するために必要な幹細胞マーカーなどを収集し、新しい研究結果を得たいと考えている。
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