研究課題/領域番号 |
20K17557
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
遊佐 俊彦 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (20867204)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 腫瘍微小環境 / 腫瘍関連好中球 / 腫瘍関連マクロファージ / CD8陽性リンパ球 / 制御性T細胞 / 肝細胞癌 / 腫瘍免疫 / CD8陽性Tリンパ球 / がん微小環境 / 免疫細胞分離 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでProspectiveにdatabaseを構築してきた症例を基に、免疫組織学的に様々な免疫担当細胞を対象として癌の進展とこれらの細胞の関連性を調べ、肝細胞癌の進展に関わる免疫担当細胞としてどの細胞が重要となるかのスクリーニングを広く行う。またこれらから得られた結果を用いて予後予測モデルを作成する。免疫回避機構に関わる重要なメカニズムとして、抗PD1に関わるメカニズムがこれまでに明らかとなっており、PD1、PD-L1と他の免疫細胞とのかかわりについても調べる。最終的に明らかとなった、検討目的となる免疫担当細胞を組織より分離して、腫瘍組織内もしくは外における標的免疫担当細胞の機能的な特性を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、肝細胞癌において腫瘍内部および腫瘍周囲の双方で免疫細胞の局在を調べ、臨床病理学的因子との関連性や予後に与える影響について明らかにしていくことを目的とし、主に切除検体のパラフィン組織を用いた免疫染色にて免疫細胞の局在・浸潤の程度と患者背景因子や予後との対比を行った。結果、予後についての検討では腫瘍周囲の好中球、マクロファージが多い症例やCD8+ T細胞が少ない症例は予後不良だった。制御性T 細胞を加えた腫瘍周囲の4種の免疫細胞についてRisk- signature modelを作成すると、High-risk群はLow-risk群と比較して予後不良であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年抗腫瘍免疫能を賦活化する治療が肝細胞癌においても臨床応用されており、治療に関わるバイオマーカー探索や、新たな治療標的探索の重要性は高まっている。本研究の結果によって、肝細胞癌の腫瘍微小環境における免疫細胞群が腫瘍内だけでなく腫瘍周囲環境においても予後に影響を及ぼす可能性が示唆された。今後さらに詳細なメカニズム解明を行うことで癌治療への臨床応用が進むことが期待される。
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