研究課題/領域番号 |
20K17559
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
加藤 明子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70847459)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 乳癌 / BAG2 |
研究開始時の研究の概要 |
乳がんの約 80% を占める「エストロゲン受容体(ER)陽性乳がん」のなかには、 ホルモン療法の効果が低く、予後不良なものが存在し、その治療成績の向上が緊急課題となっている。最近、BAG2 という分子が、乳がんの転移に深く関与していることが報告された。BAG2 遺伝子は、プロ・カテプシンB という遠隔転移促進因子の分解を妨げることで、乳がんの転移を促進することが報告されている。BAG2 遺伝子の発現亢進が、ER 陽性乳がんに対するホルモン療法抵抗性に関与している可能性に我々は着目した。本研究では、BAG2 遺伝子を標的として、ER 陽性乳がんに対するホルモン療法抵抗性の克服を目指した新たな治療薬法の開発を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、BAG2 遺伝子発現を抑制することにより、乳がんのホルモン治療への感受性が回復できないかと考え計画した。予備実験では、 BAG2 遺伝子高発現の患者は予後不良であり、乳がんにおける独立した予後不良因子であることが示された。さらに、ER 陽性乳がんにおいても、BAG2 遺伝子高発現の患者は予後不良であった。 上記の結果を踏まえて、症例数を増やし観察期間を延長したところ、BAG2 遺伝子発現と予後に有意差を認めず、ER 陽性症例においても同様の結果であった。また、BAG2 遺伝子発現は、カテプシンB 遺伝子発現やカスパーゼ3 遺伝子発現と仮説に一致するような相関関係を認めなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳がん組織における BAG2 遺伝子発現レベルと予後および臨床病理学的因子との関連性について検討した。BAG2 遺伝子発現と腫瘍の悪性度においては関連を認めたものの、BAG2 発現が予後を予測することは示されなかった。さらに、カテプシンB およびカスパーゼ3 遺伝子発現と BAG2 遺伝子発現との相関関係について検討したが、いずれも仮説に反する結果であった。以上の結果から、BAG2 遺伝子発現を標的する治療法を開発するという目的を達することはできなかった。
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