研究課題/領域番号 |
20K17564
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
富田 祐介 東海大学, 医学部, 講師 (50622263)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 腎移植 / 制御性T細胞 / 活動性制御性T細胞 / 免疫チェックポイント蛋白 / 免疫寛容 / PD1 / SARD-CoV-2ワクチン / 抗ドナー特異的抗体 / COVID19 / IL35 |
研究開始時の研究の概要 |
腎移植における術後早期の急性拒絶反応は治療が可能となった。一方で免疫抑制剤を永続的に服用することによる臓器障害や悪性腫瘍、心血管性病変、感染症、代謝性疾患などの合併症が増加し、移植した臓器が機能しているにも関わらず、ほかの原因で死亡することが増えているのが問題点である。われわれは、移植した臓器を長期的に保護するためには、免疫チェックポイント蛋白が関与していることをマウスモデルで証明した。本研究は、ヒトの腎移植において、免疫チェックポイント蛋白の発現が移植した腎臓の長期生着に重要な因子であるのかについて解明し、免疫抑制剤を漸減、中止する新たなプロトコールへの応用を目指すものである。
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研究成果の概要 |
TregsやPD1の発現が、腎移植後の長期生着に関わるとされる抗ドナー特異的抗体の新規形成(dnDSA形成)の関連因子となりうるのかについて検討した。dnDSA陽性群でTregsの発現は低値であり、その中でも特に活性型のactivated Tregsの発現頻度が有意に低く、強い関連性が示された。また、免疫抑制療法の違いによりTregsやPD1の発現が異なるのかについて検討した。エベロリムス(EVR)使用群と非使用群における末梢血リンパ球の解析では、全Tregsは変化がなかったものの、aTregsの割合は使用群で有意に高値であり、EVR併用療法は移植腎保護に有利である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
移植医療は末期臓器不全を根治するための唯一の治療法である。一方で、免疫抑制剤の永続的な使用については、拒絶反応を予防するためには必要不可欠であるものの、重症感染症を発症したり、移植臓器に毒性を起こしたりすることが知られており、長期的な生着率に影響を与えている。 マウスと同様にヒトにおいてもTregsやPD1はドナー抗原に特異的な免疫抑制反応に関与していた。また、免疫抑制プロトコールによりその発現が異なることを示せたことは、移植患者にとって貢献度の高い研究成果であると考えられる。今後は、本研究で得られた結果に基づき、横断的な解析に発展させ応用を測る。
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