研究課題/領域番号 |
20K17578
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
諸 和樹 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (10745566)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 乳癌 / グルコシルセラミド / セラミド / スフィンゴシン1リン酸 / リピドミクス解析 / RNAシークエンス / マクロファージ / アポトーシス / 化学療法 / グリコシルセラミド / ミンクル受容体 / 免疫微小環境 / 脂質メディエーター |
研究開始時の研究の概要 |
研究目的は、腫瘍免疫微小環境におけるグルコシルセラミドの役割を解明し、臨床的意義を明らかにして治療応用のための研究基盤を築くことである。学術的独自性は、脂質分子の腫瘍免疫微小環境における働きを解析する点であり、創造性は、脂質分子を標的とし、腫瘍免疫分野における新たな乳癌治療開発を目指す研究基盤を構築する点である。課題A:動物実験によりグルコシルセラミドとミンクルが腫瘍関連免疫細胞に与える影響を解析し、治療応用の可能性を探索する。課題B:患者検体でリピドミクス解析を行い、臨床的意義を追究する。課題C:バイオインフォマティクス解析により腫瘍関連免疫細胞とグルコシルセラミドとの関連性を検証する。
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研究成果の概要 |
脂質メディエーターであるセラミドは細胞死へ、S1Pは細胞生存へ作用し、細胞運命はセラミドとS1Pのバランスで決定される。グルコシルセラミドはセラミド前駆物質であり、抗腫瘍効果を有することが知られている。乳癌モデルマウスにおいて、グルコシルセラミドの経口投与により腫瘍増大の抑制を認めた。その背景として、腫瘍組織内のCeramideとS1Pの割合の変化を認め、がん生存を導くS1Pが、細胞死を導くCeramideへ変化していることが示唆された。本研究では、グルコシルセラミド経口投与には腫瘍増殖を抑制させる効果を有する可能性があることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳癌治療の進歩にもかかわらず乳癌死亡数は年々増加し続けており、腫瘍免疫の重要性が高まっている。腫瘍免疫微小環境の調節因子として脂質でありながらタンパク質と同じように情報伝達物質として作用する「脂質メディエーター分子」が注目されている。本研究ではグルコシルセラミド経口投与により、腫瘍組織内における脂質メディエーターのバランスを変化させ、腫瘍増殖を抑制することが示された。本研究によりグルコシルセラミド経口投与には腫瘍増殖を抑制させる効果を有する可能性があることが示された。
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