研究課題/領域番号 |
20K17582
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 聖路加国際大学 (2023) 広島大学 (2022) 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部) (2020-2021) |
研究代表者 |
木村 優里 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 常勤嘱託医 (50806130)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腫瘍浸潤リンパ球 / PET-CT / 乳房専用PET / 腫瘍免疫微小環境 / 術前化学療法 / CD8 / FOXP3 / 乳癌 / TIL / PET / US / TILs / SUV / DbPET |
研究開始時の研究の概要 |
近年、乳癌の腫瘍微小環境における腫瘍浸潤リンパ球(tumor infiltrating lymphocytes: TILs)が、予後および治療感受性に関与することが報告されている。 申請者らは、FDG-PETのSUV値が乳癌TILsを反映することを発見し、術前化学療法の治療効果を予測できることを見出した。 本研究は、腫瘍微小環境、TILs分画を詳細に解析し、高精度な乳房分子イメージングである乳房専用PETとの関連を評価し、治療前所見を用いた乳癌治療効果予測モデルを構築することで、FDG-PETを利用した新規乳癌治療戦略の開発につなげることを目的としている。
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研究成果の概要 |
乳癌の予後および薬物療法に対する治療感受性に関与する腫瘍浸潤リンパ球(TILs)は、治療前のPET-CT、乳房専用PETのSUVmaxと関連していることを見出した。また、さらに詳細なTILの分画との関連を評価し、細胞傷害性リンパ球のCD8と、抑制的に働くFOXP3の比をとったCD8/FOXP3比は、FDG-PET/CTのSUVmax値と相関し、術前化学療法の治療効果(pCR)とも有意に関連することを明らかにした。本研究において、治療前のPET-CT、乳房専用PETは腫瘍微小環境における腫瘍免疫応答を反映している可能性が示唆され、乳癌薬物療法の治療効果予測につながる可能性があることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳癌には腫瘍内不均一性があるため、腫瘍免疫微小環境や腫瘍浸潤リンパ球(TILs)の既存の評価法には限界があり、新たな評価法の確立が国際社会より望まれている。本研究において、全身PET-CTや乳房専用PETは腫瘍の増殖能や悪性度だけでなく、予後予測・乳癌薬物療法の治療効果予測因子であるTILsを予測できることを実証し、詳細な腫瘍微小環境因子との関連を示し、術前化学療法の治療効果を予測できる可能性を見出した。本結果を基に、画像診断を用いて術前化学療法の治療効果(病理学的完全奏効;pCR)をより正確に予測することで、非切除療法などの新たな治療戦略につなげていける可能性が示された。
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